俺にしときぃー！！

episode 9 ページ9

この日もなるせが遊びに来ていた･･･


なるせと遊ぶのは楽しい
話も面白いし、一緒に居るのも居心地がいい


でも最近ちょっと困っていることがある･･･


それは、別れ際になると、
帰りたくない・帰らないで
と駄々をこねるのだ


駄々っ子とか、普通の人が聞いたら可愛いものだが、
この帰りたくない・帰らないで、は
家行ってもいい？・ホテルの部屋来ない？にイコールなのだ


私はアラサー
もう火遊びしたい年齢でもない


毎回丁重に断っている
でもこの«断る»ということ自体がちょっと苦痛になってきている


正直なるせとは趣味嗜好も合うし、話も合う
でも年の差があってなかなか次にいこうという気持ちにもならない･･･


だって、なんか付き合うとか違う感じかなー？
って、よくわからないながら感じてもいる･･･


楽しいの！すごく楽しいけど、、
うーん、表現するの難しいな


でも、やっぱり私の中で付き合う前に部屋に呼んだり、行ったりする気はさらさらない


今日また言ってきたら言おう
これで疎遠になるようなら、悲しいけどそれだけのご縁だったのだ、と言い聞かせよう



・



「じゃ、気をつけてね^^」


改札で見送りの言葉を告げると、
いつもの俯きがちな表情を見せるなるせ


ああ、今日もか･･･


「ねぇー、おれ今日帰り･･･」
「気をつけてね^^」
食い気味で遮った
「え？」
「帰んないならホテル泊まりな^^家はダメー」
「ん、･･･はい」


「ね、なんでかわかる？」
「聞いてもいい？」
「私もね、アラサーなの。そんで、独身なの。

5個も年下の人と、火遊びできないの。
できる人もいるだろうけど、私はいや

なるせは、一緒にいて楽しいし、居心地もいい
だから、もしそういうことになるんならちゃんとしたいの

だから毎回帰りな、おやすみって言って帰るの

ごめんね。こういうの久しぶりだし、歳離れてるからよくわかんなくて

これからもなるせが遊んでくれるなら遊びたいけど、毎回そうやって言うのも辛くなってきちゃって･･･
だから･･･」

「うん、わかった。おれもなんも考えてなくてごめん

言ってくれてありがとう

今日は帰るね」


そう言ってとぼとぼ帰って行った


あー、これはもう終わりかな･･･
まあ、でも、ここは価値観だし！
合わないならそんだけのことよー！


空元気を振り絞って私も駅を後にした

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