おでーと ページ13
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『なあなあ、みて
ここ行ってみたい』
「ん？どこ？」
『こーこ！』
スマホを片手にリビングに入ってきて、
ソファに座ってる俺の隣に座り、画面を指差す。
『えびやさん』
「いいじゃん！美味しそうだね」
『な！？美味しそうすぎ〜、』
スマホを見つめるAちゃん。
「どこにあんの？」
『うーん、車じゃないと行かれへんとこ』
「あー！だから、俺誘ってるんでしょ！？」
ちゃうよ〜！って、慌ててるけど、
もしかして図星？
「じゃあ、なんで？
ご飯誘ってくんの、珍しくない？」
『たまにはいいやんか〜
涼しくなってきたし、ドライブしてお散歩したい』
なるほど。海の側を散歩したいと。
うん、悪くない。むしろいい。最高まである。
「いつ行く？」
『めいちゃんが忙しくない日〜』
気分屋さんなAちゃんは、
話すのに飽きたのか、俺の膝を枕にして
ソファに横になる。
「スケジュール空いてる日確認したら決めようね、
絶対！」
『うん、約束〜』
小指を立てた手を俺の顔の前に差し出して、
ニコニコ笑うAちゃんは、とんでもなく可愛い
「約束やぶったら、針千本のんでね？」
同じように立てた小指を絡ませて、ユラユラ揺らす。
小指を絡めたまま、親指同士をくっつけるAちゃん。
『誓いのちゅ〜』
「なにそれ、」
『ん、なんかで見た』
自分で言ったのに、恥ずかしくなったのか、
手をぱっと離された。
「なに、恥ずかしいの？」
『恥ずかしくないけど！
なんなん！？』
俺のTシャツの裾をひっぱって顔隠してるけど、
どう考えたってそっちのほうが恥ずかしくない！？
「どこに隠れてんの！？」
『隠れてない！』
「いやいや、隠れてるじゃん！
服伸びるからやめて！」
『ふん！』
恥ずかしくてどうしようもなくなったのか、
Aちゃんは、俺のそばから離れて、
寝室に行っちゃった。
落ち着くまで、スケジュール確認しとこーっと。
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作者名：わたちちゃんです | 作成日時：2023年10月14日 5時
