太宰さんの妹さんは病弱なようで

23話『黒の時代８』 ページ24

「目が真っ赤だな」

『うぅ...皆の前に出れない』

数分間泣き続けた私の目は中也兄が言った通り真っ赤になっていた。

「ここ数日は任務がないだろ？」

『うん。首領が休みなさいって』

お兄ちゃんが居なくなったからその分の仕事は殆ど
私に回ってくると思う。


それまで休めと言う事だろう。

「なら、部屋の片付けをしろ」

『？...なんで？』

「1人じゃ寂しいだろ？

俺の家に来い。彼奴 みたいに完璧に手前を支えれるわけじゃねぇー...でも、これからは俺が彼奴の代わりになる。俺が精一杯 支えるからな」

『！！』

本当に優しいね

そこまで考えてくれるなんて...。

『うん。分かった！中也お兄ちゃん！！』

「いいな。その呼び方」

太宰治は私のお兄ちゃん。

中原中也も私のお兄ちゃん。



2人ともお兄ちゃんって呼んだら区別が付かないから

中也お兄ちゃんね。


『中也お兄ちゃん。ありがとう』

「お礼を言われることは何もやってねぇーよ」


優しく頭を撫でてくれる中也お兄ちゃん。

お兄ちゃんも良くしてくれたなぁ...


"お兄ちゃん！任務成功したよ！！"

"おや 早かったね。流石、私の妹だ"

もう、こう言われることもないんだよね...。


「自分から辛い事を考えるな」

『え？』

「泣きそうな顔してる。

太宰の事を忘れろとは言わねぇーが あんまり考えるな」

『うん。分かった』


中也お兄ちゃんも居るから大丈夫！！

辛い思いなんてしなくなる。



私は...お兄ちゃんの事を 兄じゃなくて太宰 治と思った方がいいのかな？

その方が...殺りやすい気がする。



でも、お兄ちゃんは私の唯一の血の繋がった家族

お兄ちゃんと思わなくなったら家族が居なくなる。

それでいいの？


『中也お兄ちゃん...私ね。

今は沢山 悩むよ。悩んで悔いのないようにする』

「そうか。それがいい」

『うん！！』


先の事は分からない。

だから、その時に自分が正しいと思った道を進む。








その道が間違いでもいい





だって もう間違えてるから








マフィアに入った時から。

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