病弱な妹と2人の兄が選ぶ道

「兄への隠し事」 ページ24

何十分か歩いた

時間的には夜の11時ぐらい...かな。


まともに見えない状態でよくここまで歩けたと思う
もう限界だ。

頭は痛いし視界は歪む。

あぁ...肩の手当てし忘れた。まぁいいや


人通りはないから倒れても気付かれない。




『もう無理...』

金属が地面に落ちたような音がした。

それに伴うように私は自分の目を閉じた。



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「遅いな...A」

時計を見ると深夜の２時。

夕方に行ったっきり電話も何もない。

数十分前 本部に行ってないか姐さんに電話してみたら本部には数時間前に来てもう帰ったと言っていた

帰りに絡まれたと言ってもそこらへんの奴らに負けるほど弱くないし...。


まさか青鯖の所か？

...本部にも居ないと思ったらもう そこしかないんだよな。

「はぁ...仕方ねぇ」

嫌々ながらもスマホを取り電話帳から青鯖を探した
見つかったのでかけるとすぐに出た。

《なーに中也。こんな時間に》

「そっちにA 居ねーか？」

《えっ？居ないけど。どうしたの？》

「Aが居なくなった」

《今すぐ探して》

太宰の声が途端に冷たくなり 電話越しでも怒っていることがわかった。

「言われなくとも探す」

《こっちも今から探すから見つかったら即座に電話してね》

その声と共に通話は切れた。


やっぱりAが出掛ける時に一緒に行っとけばよかった。

幾らマフィアとは言えまだ１６。
危ないに決まっている。


取り合いずAの部下 全員にも家に行ってないかを聞き協力を頼んで俺は家を飛び出した。




ーーーーーーーーー


中也から電話が掛かってきてから数時間後 道端で倒れているAを見つけたが息遣いは荒く顔色も悪ったので与謝野先生が待機している探偵社に連れていき今は治療室で見てもらっている。

GPSは壊れており場所をすぐに特定できなかった。


「Aちゃん 大丈夫ですかね...」

探偵社の皆はAが居なくなったと言ったらすぐに集結してくれ深夜なのに今も居てくれている。

「与謝野先生は優秀な医者だから大丈夫...」

と言いながらも不安しかない。

やっぱりマフィアを抜ける時に連れてきていれば...とだらだらと考えていたら扉が開いた。

「与謝野先生！Aは...？」

「毒が回っているね。それも普通なら死んでるくらいの」

「毒...？」

普通なら死んでる？

「耐性が付いている。あれは訓練で付いたものだね」

毒の耐性がつく訓練...

それをする人は1人しか居ない。

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