こんな話は聞いてない ページ2
師範は「少し遠くの方」なんて言っていたけど、実はそうでも無かった。
話を聞いている時に"朝なのに鬼が活動しているのか"と疑問に思ったがこういうことかと、栗花落カナヲは思い直した。
1つ目は__
「ヴォアアアッグァァ!!」
カ「!」
この辺りは森が広がっており、木々が重なって影ができる。その場所を重点的に動いているためだった。
しかも鬼の大半が木の後ろに隠れるように動いていて、鬼の影と木の影が同化して分かりずらい。
そしてもう1つ目は__
『わっ、カナヲ〜!カナヲも一緒だったんだね、頑張ろ!』
カ「...!A...」
自分の同期と一緒なのである。
カナヲは"なるほど、これなら安心だな"と思う。
今自分の隣にいる同期・春山Aとは仲が良く、同時に頼れる仲間である。
少し抜けたところはあるが、笑顔は年齢に見合って可愛らしいし、誰よりも人の気持ちを察してやれるし、何より鬼狩りとしての才能がある。
だからこそ、栗花落カナヲはいつもより気合が入っていた。
『じゃあ行こっか、カナヲ。私が右行くから、カナヲには左をお願いしてもいい?』
コクン、と頷くとそれに同意したように瞬きをし、刀の柄を握って右方面へと進んで行った。
カ「...私も頑張らなくちゃ」
そう口にした栗花落カナヲは、何か覚悟を決めたようにして、前を向いて左方面へ走って行った。
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作者名:音戸あやめ | 作成日時:2021年5月19日 21時