人間で非力だけど…私は! ※微シリアス ページ4
コディアックヒグマは現実世界ではアラスカ半島に生息する種だからほかの種に比べて寒さの影響を受けずに冬場でも変わらぬスピードで動くことができる。クマの機動力は100メートルを7秒で走るほど高い。しかも、最近暖かくなってきたとはいえまだ夜は寒い。どちらかと言えば相手が有利。
さらに、この見た目からみて成長抑制剤を暫く飲んでいないだろうから体調も現実世界のとほぼ同じの3メートル弱ある。…まずは鼻を狙って少しでもこのクマの動きを鈍くしないと。
「ッレゴシ君!鼻を狙って!そしたら私が病院の方まで誘導するから!」
鼻が利かなくなればクマは目と耳に頼るしかない。けど近視だし今は興奮状態だからきっと聴力が敏感になるはず!
うまく音で路地裏から誘導すればほかの人を傷つけずに捕獲できる‼
クマは思惑通り音を辿って病院の方向へ向かっていった。が、運悪くそこにキツネの男の子が向こう側から走ってきた。
早くしないとあの子が危ない!でも…レゴシ君も私もこの距離からじゃ助けに行けない。どうすれば…!
その瞬間、目の前を黒くて大きな影が通り過ぎクマと男の子の間に割って入った。
「あれって…ウマ?」
黒い影は月明かりに段々と照らされ、現れたのは茶色の美しい鬣をもつウマだった。
「二匹の若者が自ら討伐しようとしていたから泳がせていたが、民間獣にまで手を出すとなれば話は別だ。小さいキツネよ、お前も手に肉を持っているが覚えておけ。食肉に溺れた肉食獣の末路を!」
そこからは一瞬の出来事だった。クマは目を突かれ、牙まで抜かれ、もはやその身体は肉食獣としての機能など失ってしまった。
横のレゴシ君も小さく息をのみ、絶句しているようだった。
「今回は途中で止めることができずこのような事態になったが、ハイイロオオカミの君はともかく、そこの君は見たところ肉食ではないな。次に同じようなことがあればケガでは済まないぞ。」
確かにこのウマの言う通りだ。ゴウヒンさんの手伝いとはいえ、力で満足に戦うことができない自分がこの場にいるのはおかしい。でも、
「でも私!世の中の食肉に苦しむ肉食獣を救いたいんです!救って、私たちは食以外のナニかでも繋がれるってことを証明したいんです!」
そう。私は今まで人間として食物連鎖の頂点に立っている、と安心し優越してきた。でもこの世界に来てゴウヒンさんやレゴシ君、しし組のみんなを見て私たち生物の関係はそれだけじゃないって思ったんだ。
「生ぬるい。」
正義のウマの言い分 ※微シリアス→←初心者なので優しくしてください。(震え声)
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桜庭 - 続きはどうなりますか...! (8月3日 0時) (レス) @page23 id: b68e6ffcf4 (このIDを非表示/違反報告)
tsukishi773(プロフ) - くっ続きが見たいぃ" (2022年11月7日 9時) (レス) @page23 id: e89636a396 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ - レゴシとの絡みに拝むばかりです… (2021年12月19日 2時) (レス) id: c7f724abcf (このIDを非表示/違反報告)
七瀬臨也(プロフ) - とても素敵な作品で続きが気になります( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ ) (2021年12月3日 1時) (レス) @page23 id: a0135bf0ac (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 続き楽しみにしてますー! (2021年11月7日 17時) (レス) @page23 id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きの | 作成日時:2020年3月23日 10時