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友達だよ。 ページ23

急に腕を掴まれて走らされて、気づけば部室の外にまで連れ出されていた。
さっきから私のことを無視したと思えば、ビルといるところを見て過剰に反応するし…情緒不安定かこのオオカミは!

「どうしたの急に。ドーム先輩も心配するし、戻ろうよ。」
「あのさ、」

「何で美術チームにしたの?」
「えっ。…ダメだったかな?」

「い、いや!ダメとかじゃなくて…役者チームじゃなくて良かったのかな…って。」
役者チーム?いや、なんのために私が演劇部に入ったと思ってるの。ってまあ、これはレゴシ君本人は知らなくて当然だけど。それにしても役者になれる顔に見えます?…あれ、なんか悲しくなってきた。


「そ、そんな悲しそうな顔しないで!ほ、ほらビルは役者チームだから…さ。」
「ビル?なんでそこでビルの話になるの?私、レゴシ君がいるから演劇部に入ったんだよ。」

そう正直に伝えれば、訪れた沈黙。え、なんで黙るの気まずくなるじゃん。


それから3分経過、お互い謎に無言を貫いている状態が依然続いている。するとどこからかブンブンと風を切るような音が聞こえてきた。

不思議に思って音の原因を探して目をきょろきょろさせてみると…

「ん?レゴシ君。その尻尾…。」
なんとレゴシ君が尻尾を千切れんばかりに振っていたのだった。
何それかわいい。

「え?あ、あああ⁉これは…あのえっと!」
そのあとも「静まれオレの尻尾ォ〜!」と言って必死になっているレゴシ君に私は思わず笑いがこぼれた。


「あ、あのさ!嬉しかったんだ‼…Aちゃんがオレが理由で入部してくれたこと…。今までAちゃんのこと避けちゃってたから嫌われたと思って。」
シュンとするレゴシ君。あ、尻尾収まった。

「嫌いになんかなってないよ。私こそ待ってるって言ってくれたのに食肉のこと、隠してたみたいになってごめん。でも、レゴシ君に話そうとしてたのはホントなんだよ!」

「うん。Aちゃんは優しいから極度な食肉嫌いのオレを見て言い出せなかったんだよね。ずっと苦しめててごめん。オレの食肉嫌いはね、本能で食肉を犯しそうになった経験から来てるんだ。」
今まで知らなかったレゴシ君の秘密。思えば、友達になると言って何にも知らなかったんだ。


「ねえ、私たち友達になれるかな。」
そういえば至極簡単そうに彼は言った。

「?もう友達だよ。」
「食肉してもキミのさっきの真剣な顔は嘘じゃなかった。だから信じるよ。」
私たちはもう一度手を取り合った。

終わり ログインすれば
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←美術チームでも少しばかり不安が。



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桜庭 - 続きはどうなりますか...! (8月3日 0時) (レス) @page23 id: b68e6ffcf4 (このIDを非表示/違反報告)
tsukishi773(プロフ) - くっ続きが見たいぃ" (2022年11月7日 9時) (レス) @page23 id: e89636a396 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ - レゴシとの絡みに拝むばかりです… (2021年12月19日 2時) (レス) id: c7f724abcf (このIDを非表示/違反報告)
七瀬臨也(プロフ) - とても素敵な作品で続きが気になります( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ ) (2021年12月3日 1時) (レス) @page23 id: a0135bf0ac (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 続き楽しみにしてますー! (2021年11月7日 17時) (レス) @page23 id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きの | 作成日時:2020年3月23日 10時

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