美術チームでも少しばかり不安が。 ページ22
「まさか、あのルイちゃんに啖呵を切るなんてね。でもアタシ、アナタみたいな子嫌いじゃないわよ?」
そう言ってドームさんは奇麗な翼を差し出して、よろしくとまた奇麗に微笑んだ。
私も手をとって挨拶に応える。ドームさん、いやドーム先輩、頼りになりそう。良かった、知り合いがレゴシ君とビルだけだったから…ルイさんは嫌われてるからこの場合カウントしない。
「そういえば、レゴシと知り合いだって言ってたわよね。アタシ嬉しいわ。あの子に部活以外で他獣との交流があって。アナタが入ってくれたことであの子もこの部活になじめると良いんだけれど…。」
レゴシ君、部活に馴染めていなかったってことかな?なんかあったのか。まあ、あんな傷ができる出来事があれば馴染めないわけだよね。
これからは部活では私がレゴシ君の一番の友達になるんだ!その為にはまずしっかり話し合って仲直りしないとね‼
心の中で今一度入部した目的を確認していると、美術チームの活動場所についた様でレゴシ君の姿も見えた。意を決して彼に向かって小さく手を振ってみると、少し驚いた顔をしてからそっぽを向いてしまった。
「美術チームに女子が来るなんてな。ここはオンナ慣れしてない奴らばっかで、おマエの目当てのキラキラしたオトコはいないぜ。」
「こら、カイ。」
美術チームにやってきた私だが、マングースのカイ君は私のことをあまりよく思ってないみたいでここでもあまり歓迎されてないなかった。
「そういうんじゃないの。知り合いのレゴシ君もいるし、単純に美術チームの仕事が気になったからここを選んだんだよ。これからよろしく、カイ君。」
率直にそう伝えれば彼も拍子抜けしたようで、「あ、ああ。」と戸惑いながらも私と握手してくれた。
案外素直な性格みたいだ。
「…大体スケジュールはこんな感じ。今はイベントはないんだけれど、次の講演に向けて準備が進んでいるところよ。アナタには…ってあら?どうしたのレゴシ。」
ドームさんにみんなの作業しているところを見せてもらいながら説明を受けていると、後ろにレゴシ君が立っていたようでドーム先輩が気づいた。
全然気づかなかった。…友達を目指す身としてまだまだ修行が足りないな。
勝手に未熟さを実感していると急に体がふわっと浮く感覚がした。
「ちょ、ちょっとどうしたのよレゴシ!もう!ちゃんとAちゃん返しなさいよ〜!」
急にヒトの腕を持ち上げて走り出すオオカミほど怖いものはありません。
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桜庭 - 続きはどうなりますか...! (8月3日 0時) (レス) @page23 id: b68e6ffcf4 (このIDを非表示/違反報告)
tsukishi773(プロフ) - くっ続きが見たいぃ" (2022年11月7日 9時) (レス) @page23 id: e89636a396 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ - レゴシとの絡みに拝むばかりです… (2021年12月19日 2時) (レス) id: c7f724abcf (このIDを非表示/違反報告)
七瀬臨也(プロフ) - とても素敵な作品で続きが気になります( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ ) (2021年12月3日 1時) (レス) @page23 id: a0135bf0ac (このIDを非表示/違反報告)
えど(プロフ) - 続き楽しみにしてますー! (2021年11月7日 17時) (レス) @page23 id: 67d2f217ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きの | 作成日時:2020年3月23日 10時