Summer. ページ5
「わぁ……！ 」
エアコンの修理は引き続き業者の連絡待ちということになった私たちは、連想ゲームに勧められて海にやってきた。
「よく考えたら海ってしばらく来ていなかったかも？」
「まぁ、大学の頃は夏になったら雷門の連中とかと集まってたよな。みんなバカばっかだから何かと行事大好きだったし。」
「あ〜そういうこと言う、あっくんも楽しんでたじゃん。写真あるよ？ 」
「やめろよよく覚えてるの……。俺もそのひとりだよ。 」
「ふふ、記憶力だけはいいのでね。 」
懐かしい思い出話をしつつ、浜辺へ向かう私たち。
急遽海に来たので水着やらそういったものは無いが、浜辺でデートなんて乙なものなんだろう。
「とりあえず歩くか。 」
「そうだね〜。 」
朝はエアコンで頭がいっぱいだったけれども、こうして2人重なった貴重な休日にデートに出れるのもいいものだ。
エアコンにちょっとだけ感謝する。
「みんな遊んでるね。なんか懐かしいなあ。 」
「……大人数で毎年遊んでたのと比べたら俺たち大人しくなったよな。 」
「それ、自分で言う？ 」
「馬鹿言え、Aなんか大はしゃぎだったじゃん。 」
「図星です……。 」
過去の自分はとにかく海に入りたくて毎年出かけていたけれども、今の私は二人でとにかく色々な話をしたい。そういう気持ちでいっぱいだった。
「……あ。思い出した、丁度この時期に私たち付き合ったよね。 」
「そうだな……。あれからもう5年か。 」
「そりゃ私達も若いよ、まだ10代だもん。遊びたい盛りだったじゃん。 」
「それもそうだな。 」
「……暑いけどおかげで楽しいよ、ありがと。」
「おい……。ここでそれは反則だろ。 」
「へへ、たまにはいいじゃん。 」
「……まあな。 」
外気も暑いが心も熱い。それはあの時から変わらない。自然に差し出される手も、あなたの顔も。
「……引き続き、どうぞよろしく。 」
「こちらこそ。行くぞ。 」
「うん！ 」
夏の太陽に照らされて。
fin.
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琳葉(プロフ) - 南沢さん好きなのでめっちゃ嬉しいです！これからも無理なさらずに更新がんばってください！ (2020年5月2日 20時) (
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作者名：彼方 | 作成日時：2018年4月2日 0時
