続 自由な少女の隠し事【RKRN】

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そこに虎若を呼ぶ声が聞こえた。
それはしんべヱのお尻が塹壕にめり込んで抜けなくなってしまったらしい。
一年は組の数人と、二年生の能勢久作と時友四郎兵衛が必死に引っ張っているが抜ける様子はない。
すると土井がやって来て


「底を踏み抜いて、泥の層に足を取られているんだ。」


と言った。続けて土井は力強く虎若を呼ぶ。
虎若は泥だ！と声を少し大きくし、言った。
そこへ抜けたしんべヱや、引っ張っていた者たちが虎若と土井の元へ降ってきて、当たりは大惨事に。
だが、虎若はすぐに立ち上がり、田村にユリ子を借りると言って倒れ込んでいる一年は組に手伝ってくれるように呼びかけた。


「土井先生、ヒント与えましたね。」

「神器崎！…まぁ、大事な教え子の為だしな。
私は火薬委員を集合させる、念の為六年生の数人を呼んで欲しい。」

「分かりました。」


虎若の考えは砲弾は泥に弱いため、池の堤を石火矢で壊し、村の前の草地に水を流して泥にするんだろう。さすが、佐武衆の息子だ。


「仙ちゃん、長次。虎若の作戦に手助けをしてやって欲しい。いいか。」

「あぁ、いいだろう。」

「協力しよう…」


火薬委員に、一年は組の数人、六年生の長次、仙蔵、吹雪が集まり、池を壊す作戦を結構しようとしていた。


「虎若、この震天雷を使え。」


そう仙蔵が取り出したのは大きな砲弾だった。

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