陰陽五行説 (ページ10)

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十ページ10

神ちゃんの家は能力が代々受け継がれているそうだ。

能力の事は十五の歳になってから親から聞かされたらしい。

兄妹の中で唯一霊感があった事から、神ちゃんが能力者だとわかったそう。

「聞かされた時はイマイチわかってなかったけど、今はこの能力に誇りを持ってる。だって同じ能力者は俺の家系しかおらんねんで？」

心なしか神ちゃんは嬉しそう。

ニコニコとしながらいちごミルクを飲む。

どうでもいいけど、めっちゃ甘そう。

「俺は流星と一緒や。」

しげは流星と同じ日に横山教授に調べて貰って発覚したらしい。

三人だけで初めてパワースポットに行った時、今まで見えなかった霊が急に見えるようになった。

不思議に思っていると、調べた方が良いと神ちゃんが二人を横山教授の元に連れて行ったそうだ。

四回生が就活で暫くサークルに来られなかった時の事らしい。

だから四回生も三人の能力の事は知らない。

「こんな狭い範囲で能力者が三人もおるなんて……。」

「四人やろ？」

顔を上げると、神ちゃんがニコッと微笑んだ。

三人から能力の事を打ち明けられて少し安心した。

「確かにな。何かに引き寄せられてるんとちゃうか。」

しげはそう言いながら目の前にあるアイスティーを飲み干した。

飲むの早っ。

喉渇いてたんかな。

「横山教授とか？」

流星はストローでグラスの中をかき混ぜる。

勢いがありすぎて中のコーラがこぼれそうだ。

「引き寄せられてるってのはあながち間違いじゃないかも……。家の文献見なおしてみるわ。のんちゃんは帰ったら陰陽師について調べてみて。」

三人は陰陽師の事はそこまで詳しくないらしい。

五大元素の能力者であればそれぞれの能力については調べるだろう。

が、そもそも陰陽の能力があった事自体今日初めて知ったのだ。

自分の事なのだから、自分が一番知る必要がある。

神ちゃんの言葉に頷き、氷で若干薄まっているアイスラテの残りを飲み干した。

自宅に帰ってからは陰陽師について書かれている本を見ながら飯を食べた。

風呂以外は全て本と共に過ごした。

そのかいあってか、陰陽師の能力についてある程度わかってきた。

俺は一体どれくらい出来るんだろうか。

明日からこれらの能力が自分にも使えるのか試してみよう。

他に三人も能力者がいるのだ。

何かあったら相談すれば良い。

そう言えば、しげと神ちゃんが何の能力者なのか聞きそびれたな。

布団の中で目を閉じながらそんな事を思った。