九 ページ9
「今日はもう解散しよか。」
淳太のその一言で、皆それぞれ帰宅準備を始める。
俺もいつまでもここにいるわけにはいかない。
神ちゃんに貰ったペットボトルのお茶を一口だけ飲むと、鞄に入れた。
この後バイトがあるらしい照史と�陲舛磴鵑蓮△發ι�屋から出て行こうとしている。
「あ、次いつやったっけ？」
「来週。今日と同じ時間やで〜。」
照史がドアの前で振り返りって尋ねると、すかさず神ちゃんが答える。
それを聞くと今度こそ振り返る事なく「お疲れ〜」と出ていった。
「望、この後カフェでも行かへん？」
顔を上げると流星が俺を見下ろしていた。
正直言うと、このまま帰宅しても心の整理はつかないだろうと思ってる。
一人でいるよりも、同じ能力者の流星が一緒にいてくれる方がいい。
聞きたい事もたくさんある。
「うん。ええで。」
「良かった。ほんなら神ちゃんとしげも一緒に。」
え？二人も？
てっきり流星と二人だけだと思っていた。
能力の相談をしたかったけど、二人も来るならやめといた方が良さそう。
「望、大丈夫やから。」
俺の不安を見抜いたのか、肩に手を置く。
まるで俺を説得するかのように。
気づけば頷いていた。
「実はさ、俺らも能力者やねん。」
それぞれ好きなものを注文をした後、しげの口から思いもよらない言葉が飛び出す。
俺の能力が気持ち悪いとか言われるのかと思っていた。
まさか逆に能力を打ち明けられるとは。
「ちなみに、俺らはお互いの能力を知ってる。」
神ちゃんの言葉で、しげと神ちゃんが滝で意味不明な会話をしていた事を思い出した。
あの時は霊を初めて見た恐怖で、それどころじゃなかった。
そういう事だったのか。
「な、大丈夫やって言ったやろ。」
流星が若干ドヤ顔しながら、店員さんが運んで来た飲み物を受け取る。
店員さんが去って行ったのを確認してから、目の前のオレンジジュースを一口飲む。
「二人はどうやって能力を知ったん？」
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作者名：かんた | 作成日時：2020年4月30日 23時
