陰陽五行説 (ページ7)

今日:4 hit、昨日:10 hit、合計:98,742 hit

七ページ7

誰ともなくため息がこぼれる。

陰陽五行説の思想を専門に学ぶ為の専攻に通っているメンバーなのだ。

流星の能力を知り、皆感動に浸っているに違いない。

思い思いに考え事をしているのか、誰も一言も喋らない。

新参者である俺には少々居心地が悪くなってきた。

「今まで幽霊とか見えた事なかったのに。」

何か喋らないとと思って出た言葉がこれだ。

返事のしようのない事を言ってしまったと、後から気づいた。

どうしよう。

「多分、俺らとおったからやと思うで。俺ら皆霊感ある方やねん。」

神ちゃんがそう言うと、しげも同意した。

確かに俺以外の6人は見えていたようで冷静だった。

そうだったのか。

という事は、このサークルにいる限り俺にも霊が見えるっていう事……？

背筋がゾクっとした。

「しかし、小瀧が叫んだとたんに霊がいなくなって驚いたわ。」

「俺らには見向きもせんと望に向かって行ってたしな。」

しげの言葉に同意する流星だが、不思議そうな顔をしている。

確かに、何で俺に向かって来たんだろう？

俺は最初は見えていなかったはずなのに。

「もしかして、何かの能力者なんちゃう？」

濵ちゃんのこの一言で、部屋中が凍り付いた。

今、何て言った？

「……なくはないんじゃない？」

え？

淳太まで何を言い出すんだ。

「調べてみよか。」

不安に思って調べてみると言った張本人の流星は素知らぬ顔をしている。

拒否権はないようだ。

一体どんな事をされるのだろうか。