陰陽五行説 (ページ25)

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二十五ページ25

拝殿に行くと、橙色の軸の筆が落ちていた。

これも照史の家の家紋が入っている。

神ちゃんの時と一緒で、きっと麒麟からのプレゼントだ。

「五人分の名を集めました。」

集めた名を読み上げると、照史は橙色の光に包まれる。

一度目を瞑り、光がおさまったところで目を開けた。

「認めて貰えたわ。」

こちらを向いて見せてくれた手のひらには橙色で描かれた麒麟の姿がある。

その姿を見てホッと息を吐いた。

「そういえば、本来の力ってどれくらいなん？どんなけ変わったか見せてや。」

拝殿を出たところで、しげが興味深々に言う。

確かに、どれくらいの力なんだろう。

神ちゃんの能力もあれから一度も見ていない。

本来の力を手に入れる前の威力をさっき見たけど、正直俺からしたらあれでも十分凄かった。

「ええで。俺もどれくらいなんか知りたいし。」

そう言い、皆から離れた場所に立つ。

一人目の悪霊と話をしていた場所だ。

「いくで。」

そう言い、呪文を唱えると五メートル程の高さのある土の壁が出来る。

さっきまでは背丈くらいだったのに。

凄い……。

「マジか。」

しげは横で口を開けて見ている。

これが本来の能力者の力なのか。

と、そこに先ほどの悪霊が姿を現した。

そっか。さっき名前を聞いただけで除霊したわけではないのか。

というか除霊は俺にしかできないから当たり前か。

神ちゃんの時も除霊はできないから、俺が除霊したんだった。

あの時の悪霊は、神ちゃんに滅茶苦茶にやられてボロボロの状態だったから俺でもすぐに除霊できた。

でも今回は違う。

どうする？

「望、一緒にやってみよや。」

照史は手をグーパーしながら腕をぐるぐると回している。

やる気満々のようだ。

自分の力を試したいんだろう。

「わかった。」

俺は照史の元へ駆け出した。