【リボーン】 捕らわれの姫君

episode13 ページ16

貴「骸さんは……自分ってなんなんだろうと…思う事ってないですか？」


そう言いながら骸を見つめるAの手は、微かに震えていた。


貴「…私が私じゃない気がして…自分がなんなのか分からなくて……自分が自分じゃなくなって行く気がするんです。恐怖が身体を蝕んで―…怖いんです」


骸「＿＿…」


骸は優しく、Aの頭を撫でた。


骸「貴女は貴女ですよ。それ以外の何でもありません。……この答えでは駄目ですか？」


Aは驚いた顔で骸を見ると、その答えに、ふわりと微笑んだ。


貴「そうですね……ありがとうございます、骸さん」


でも―…とAは続けた。


貴「骸さんは……どんな私でも、受け入れて…くれますか…？」


骸「……勿論ですよ。どんなAでも…AはAですから」


貴「私は私……」


その言葉に、Aは俯いた。


貴「ありがとうございます」


元気が出ました、とAは立ち上がる。


貴「ご心配おかけしてすみません。もう……大丈夫です」


骸に向けたAの笑顔には、もう最初の笑顔ではなくて……


心の底からの、微笑。


貴「もう、悩むのはやめにしますね。……骸さんの言う通り……私は私ですから」


心の底からの微笑＿＿＿が一瞬翳りを帯びたが……それは本当にほんの一瞬で。


笑顔の翳りー…それは確実に……


…闇は……


姫君の心を……蝕んでいる……

アンケート！→←episode12

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す