聞いてますか白石さん【鬼滅の刃】

白石さんが35人 ページ36

伊黒side





『入るね』


｢ああ｣






器用に二の腕と掌の上に夕飯を乗せた
御盆を持ち、片手で戸を開ける白石。

成程、バランス感覚の優れ、気配の無さ
話から見とれる知能の高さ。

宇髄や冨岡が白石を継子にと焦る訳だ。
甘露寺や胡蝶、時透に任せたい所だが
白石とあの竈門炭治郎は幼い頃からの
友人と聞いた。

白石がしたいようにすればいい。







『ちょっと頑張った』


｢…！｣


『口に合えば嬉しい、でも
大体アオイが手伝ってくれた』







手先が器用なのか、元ある才能なのか
白石の話を皆からよく聞くが
此奴はある意味なんでも出来る部類なのだとか。









｢そうか、だが白石の気持ちだけで
嬉しいと思っている。｣


『食べよう』


｢ああ。｣









頂きます、そう言って食事を口に運ぶ白石。
礼儀作法がしっかりしているが
胡蝶か、胡蝶の使いか？









『どう？』


｢美味いぞ｣


『…へへ』







白石が少し照れくさそうに笑う。









｢普段は口にしないが…ありがとな｣


『ありがとう』


｢…？｣

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