聞いてますか白石さん【鬼滅の刃】

白石さんが27人 ページ28

胡蝶side






『しのぶ、捕まって』






いきなり私を横抱きしたと思えば
空中に飛ぶA。

先ほど歩いていた場所に目を移せば
何やら大きな針らしき物が
聳え立っていた。






『大丈夫？』


｢ええ、ありがとうございます
…下ろしてもらっても｣


『冨岡さん、壁になる物や地面には気をつけて』


｢Aさん？？｣


『わわ』








Aさんは只でさえ他の隊士よりも
運動神経が無いのに、私なんて抱えて
行動なんて無理だと思う。

でも私があの攻撃に瞬時に
反応出来るとも思えない。







『しのぶ？』


｢ああ、いえ！
Aさん、鬼の本体は分かりますか？｣


『…さっきあの針を切ったけど何にも。
上から突き刺して真っ二つにしたら
消えちゃったから収穫がない。』









Aさんの脈が少しだけ早くなった気がした。
気づかない程度に少し息が乱れている。









『しのぶ、あの針抜いてみよう。』









そうだ、と思いついた様な顔でこちらを見てくる。









｢え…、近づいてもいいんですか？｣


『あの針曲がれない、だから生えたら
それ以降攻撃が来ない。』


｢なるほど｣









さっきはそうだったと言う当たり
Aさんさっき針に触ったんですかね。

全く、危ない事を。









『私が気を引く。』









私を隠れた場所に下ろそうとするAさん。
女の子の、ましてやAさんに危害が及んだらなんて考えてしまうけれど。









｢待てA。
俺があれを抜く、Aは胡蝶を守れ｣


｢…まあ、男手も大切ですか、猫の手も借りたい
みたいな状況ですし｣


｢猫…!?｣


『冨岡にゃん』


｢冨岡にゃっっ…ふふ｣


｢…心外…!!｣









早くお願いしますとAの首に手を回し言うと
分かったと相変わらず無表情な顔で
淡々と走っていく冨岡さん。

Aさんはしっかり掴んでいてと言って
再び木から木へ、時に地に足をつけて兎に角
走り回ってみる。









｢Aさん、あの鬼はきっと臆病者ですね？
だって私達みたいなか弱い女性にも地に隠れ
攻撃を放っているのでしょう？｣


｢ん"なっ｣


『弱い、下級だと思う。
下っ端の底辺かも。
出てくれば倒せると思う』


｢あぁ？！｣


｢だって声と技だけで威嚇なんて雑魚がする事ですもんねAさん｣


『ん』









挑発に乗るのかと試して見ると
Aさんもノリノリで合わせてくる。

本当に短期だった。

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