【東リべ】もし肝っ玉据わった女の子が東卍の味方をしていたら (ページ15)

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Aの驚き声が店の中に響いた。

周りのお客さんはなんだ、？と振り向いてくる。

稀咲｢おい！静かにしろ！お前、半間よりめんどくせぇな｣

『いやいやいや、だって稀咲って……彼女持ち!?』

稀咲｢違ぇ……好きな女にプレゼントしようかと｣

『アツアツじゃんか』

稀咲｢うるせぇ!!早く答えろ｣

いつも冷静で心が読めない稀咲鉄太が焦っている。

その様子が不思議で、Aは稀咲がこの事についてガチで悩んでいるのだと察した。

『っていうか相談する相手間違えてんだろォ。そういうのは本人に遠回しにでも聞くんだよ。それか……日頃の様子を見て何が好きとかァ』

稀咲｢………それが無理だから聞いてんだよ｣

『無理ィ？』

稀咲｢大体、あと10年後くらいの話だ。その時オレは結婚の告白しようと考えてる｣

『は…………ちょっと、話ぶっ飛びすぎだろ』

稀咲｢何か文句あるか｣

『ぁ、あのな。フツー結婚ってのは、仲良くなって、付き合って、結婚するんだ』

稀咲｢そんなこと知ってる｣

『ァ、そう。……じゃあもう一回確認な。その女と仲良いのか？』

稀咲｢最近は会ってないがその女は俺のことが好きなんだ。だから仲はいい｣

『………話したことは』

稀咲｢小学生の時に塾で｣

『同中なん？』

稀咲｢いや、別だ｣

『付き合う予定は』

稀咲｢そんなもん必要ねぇ。それに女の方は今、付き合ってる男がいる。その男をどうにかする｣

『約十年後の告白する時まで、その女に会わないつもりってことか……』

稀咲｢彼女が理想としている男になってから告白したい。それまでに十年後くらいかかる｣

Aは唖然としていた。一通り稀咲の恋愛相談を聞いた感想はこうだ。

コイツやべぇ

『(その女付き合ってる男がいンのに稀咲の事、好きなわけねぇだろ!?矛盾に気づけよ!!)』

稀咲｢おい、早く教えろ。女は告白する時何をあげれば喜ぶんだ｣

『………ェ…………』

最初、Aはその女は諦めた方がいいと言うつもりだった。

それを言って諦めてくれるかは分からないけれど、今の話を聞いている限り、その恋愛感情は稀咲の一方的なものにすぎない。

告白したとしても断られる結末は予想できる

それなのにあまりにも稀咲の眼差しは真剣だ

まるで告白が成功するヴィジョンがみえているかのように、自信に満ち溢れていた。