誰も幸せになれない ページ37
『ﾊｧ､…………………オルトはどこに行ったんだ』
辺りを見回しても、先程まで背中を追いかけていたはずのオルトの姿が見えない。
ゴゴゴゴゴ………
普通の人間には絶対に聞こえない地響き。
妖精族のオレにすらとてもかすかに聞こえてくる。
『地下………ファントムが暴れてる?でも、それなら防衛システムが対処してるはずなのに……』
おいで おいで──────────
『……………誰だ………!』
僕のトモダチなって
君は死の香りがする
腐った花の香りがする
もう限界なんだから
楽になろうよ
そうすれば
君が望むものを与えられる
『何だ………オレの、、望むものって…………』
柔らかな青年の声は不気味に、楽しげに言った。
"自由" だよ
君が望むのは、死という名の自由
さぁ、だから
何も考えなくていい
考えるとつらい
痛みなんてない
こっちへ、こっちへおいで ────────
『………ぃ……………ｲたﾐﾉ…………ﾅｲﾎう…………』
そうだよ その通りだ
それで君は自由になれる
さぁ、さぁ
その魔力を奪い取ってあげる
[ この子に触れるな、亡霊 ]
…………うるさい
この子は自分で望んだんだ。
死を望んだ。そして自由を欲したんだよ。
どうしてそれを邪魔するの？
[お前の方法では、この子を幸せにできない。
人の幸せをお前のものさしで図ろうとするな。
なぜこの子に近づこうとする？]
…………フフ、友達が欲しいんだよ
ここにもたくさん友達はいるけれど
もっと欲しいんだ
足りないんだよ
世界中のみんなに
僕たちの友達になって欲しい
そうすれば この
"兄ちゃん"は……………自由になれる……!!
[…………"嘆きの島の番人"は本当にそんな事を望んでいるのか？]
お前には関係ない
[消えろ どのみちこの子に手は出させん]
…………………そう
でも あなたがいたところで
この流れは止められない
あなたはただの残影だから
その子は守れても 他の子達は守れない
[いいや、私ではなくこの子が彼らを守る。………Aは自分でそうすると誓ったのだから……大切な人を守り、手を差し伸べると]
Aはその場で意識を失い
地下からの地響きは さらに響きを増した。
そして青年の声が高らかな笑い声をあげる。
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小鉄 - 私昨日から小説書かせていただいてるんですがきっかけが主さんなんです！ずっと憧れでしたまだまだ上手に書けていませんが主さんを励みに頑張ります！ (2022年12月10日 15時) (
レス) id: 15ea1c6ed3 (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - 暇人さん» ありがとうございます😭 (2022年2月17日 23時) (レス) id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
暇人(プロフ) - やばい好きすぎる (2022年2月16日 16時) (レス) @page32 id: 56c105e887 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金木犀 | 作成日時：2021年11月6日 16時
