早くこの夢から覚めて～ Issei.K～ (ページ3)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1,745 hit

3 ページ3

金指くんをフッた次の日の朝。

「Aせんぱいっ、おはようございます！」

金指くんが元気な声であいさつしてくる。
いつもどおり、隣には私よりも1つ年上の井上瑞稀くん。

「金指くん、おはよう」

私は、何事もなかったかのように普段どおりにふるまう。
何で断ったかなんて言うのも恥ずかしい。
私はこれ以上話しかけられないことを願った。

でも、その願いは一瞬で崩れた。

「Aせんぱいっ、今日のお昼休み一緒にご飯食べませんか？」

「ふぇっ…⁉」

私は驚きすぎて、思わず変な声を出してしまった。

どう断ればいいんだろう…。
フッた子と一緒にご飯食べるとか、さすがに気まずすぎるでしょ…。

「ごめんね、友達と一緒に食べる約束が…」

友達なんかいないけど、ごまかすために必死にうそをついた。

「そっか、ごめんね…」

金指くんがそう言った後だった。

「あんたさぁ、いつも1人で食べてるんだから、今日ぐらい一世と一緒に食べてもいいんじゃねーの？」

金指くんの隣にいた井上くんの声だった。
気の強そうな物言いに思わずひるんでしまう。

「わかりました。今日のお昼は一緒にご飯食べましょう」

私はしぶしぶ井上くんの言うことを聞くはめになった。