素敵な夢と一夜のお話【wrw/rd!】 (ページ3)

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四日後。無事に、いや…ゾムさんにナイフを突きつけられてはいたのだろうが。彼女は来た。
綺麗な茶色の髪に、エメラルドの様な翡翠の目。女の私でも見惚れてしまうほどの人形の様な彼女は、白い髪で赤い目の私なんかよりももっともっと綺麗だった。

「私、瑠奈と言います。るな、です。今日からこの特殊部隊の医療班として活動させて頂きます。よろしくお願いします。」

お淑やかという言葉が似合う彼女は、ぺこりと丁寧にお辞儀をした。釣られて私達もぺこり、とお辞儀をする。

ロボロもコネさんも頬を緩めて、変な人間じゃなくてよかった、とほっと一息をつく。新しく用意された椅子を引いて、我々は席に着く。
彼女にとって初めての食事。少し緊張しているのか手に持つスプーンが少し震えているのを私は気付いた。けれど、それをバラされるのは恥ずかしいだろう。私は黙ってスプーンを口に運んだ。

青い彼が珍しく私を呼んだ。自分の部屋で待っているから好きなタイミングで来てくれ、と。そういや大先生やグルさんは彼らみたいに笑っていなかった気がする。まあ、それが彼らのデフォルトだから仕方ないか。全く、少しは笑顔を見せないと嫌われるぞ、と私は夜の適当な時間帯に彼の部屋を訪問した。

「どうしたんですか、改まって呼び出したりして。」

「…医療班、だよね？ええと、彼女。」

「るなちゃんの事ですか？ええ、そうですけど。今はガーゼ等の棚の整理をしていると思いますよ、配置を覚えたいらしくて。」

「勤勉な事だね。話は変わるけれど、医療班っていうのは医療についてどの位知ってるのかな？ええと、普通の医者レベルなのか、とか。」

「基本は普通のお医者さんレベルですかね？器用貧乏、というかオールマイティにこなせる様に色んなことを教わりますけれど。」

「へぇ、なら止血とか…ここなら血が出にくい、とか痛くないとか、色々知ってるの？」

「…え？ああ、はい。注射とかする時に知らないと困りますからね、そういうの。」

「まあ、そうだよねー。というか。なんで俺の前だと敬語なの？」

「あ、別に。他意はないんで…ないけど。こう、二人きりとかだとこう、緊張するから。」

「まあそっか！あ、突然呼び出してごめんね、これだけなんだ。」

「え、これだけ？何か次の作戦にでも使うの？…まあ、下手に聞くことでもないか。」

「そんな感じ、俺はこれからグルちゃんの所行くけど。」

「私は医務室に。それじゃ、お疲れ様。」

私は扉を閉めた。