44. ふたり。 ページ46
ジャケットをかけ直しても、まったく目を覚ます気配のない、櫻井さん。
そりゃそうだ、あれだけ飛行時間が伸びて、おまけに相当な集中力が必要とされる着陸。
いくら櫻井さんだって、疲れるだろうな、
と... またずり落ちそうになる、ジャケット。
「...ほんと撫で肩(笑)。」
思わず吹き出しそうになりながら、もう一度、かけ直す。今度はちゃんと首もとまでしっかり... と、一歩前に踏み出す。
ふと、目についたタブレット端末。手をかけたまま寝ていたから、多分、途中で寝ちゃったんだろうな。何かの拍子に手が動いて、誤作動でもしてはいけないと思い、そーっとそーっと、櫻井さんの手から離す。
...と、パッと、明かりが付いたタブレット。
「あっ...」
『...ただいま。
... おかえり。
...待っててくれな
かったんだ。
... 見たいTVあった から。
...なに？
... なんとかしごとに ん。
...あはは(笑)。
そんなの見てたんだ。
... おもしろいよ？
...うん、今度見てみる。
...智くん。
... ん？
...ありがとう。
... なんのこと？
...なんでも
ない。
... そっか。
...うん。でも、
ありがとう。
... どういたしまし て。』
「大野さん... 」
そこに現れたのは、櫻井さんと大野さんとの、やり取りだった。
覗き見をする趣味もつもりもなかったけど、
「櫻井さん知ってたんだ...。」
誰かに聞いたのか...いや、違うな。あの時、無線を受けた時、櫻井さんは多分、気づいてた。
だからあんな難しいプランを了承したんだ。
あんな風に清々しく、自信を胸に。
「すごいな...」
俺は、俺の出番がなくなってしまったことを落胆するよりもむしろ、二人の関係に感動していた。
でも、
伝えたい、大切なこと。
「二人だけじゃ、ないですから。」
気付いてほしい。
「思いは、伝わりますから。」
そして、
「俺も、いますから。」
背負った荷物の一つくらい、俺がかわりに背負うから。
「......お疲れ様でした。」
眠る櫻井さんに頭を下げ、俺は体を、翻した。
45. どうしてあなたが... 。→←43. あなたのために。(ちょっと、修正)
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櫻宮 - 大野さんの繊細な心と翔くんの強い気持ち…それを優しく見守る3人が何だか"ほっこり"して凄く好きです！mioさんのお話もっと読みたいです！！ (2019年11月7日 12時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
リカ(プロフ) - こんにちは。先日、旅行に行って参りました。機内から空を見ていたら、もう一度物語が読みたくなりお邪魔させていただいています。2人の物語、5人の物語、幸せな気持ちになります。 (2017年9月4日 22時) (レス) id: c3477e2eb7 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - 沙羅さん» 沙羅さん。コメントありがとうございます。ふあふあ大野さん、感じて頂けて嬉しいです☆これからふあふあじゃない彼も、しょーくんとの揺るぎなさも、お届け出来たらなと思います！ラストシーズンまでぜひ、お付き合い頂けたら嬉しいです(^^)よろしくお願いしますっ♪ (2015年3月18日 9時) (レス) id: b1673f9bd6 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 大野さんのあのふあふあかん最高です！櫻井さんの過保護な感じにきゅっときますね、笑色んな関係が見え隠れしてて読むのとてもわくわくします (2015年3月17日 10時) (レス) id: ca60bde7d3 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - えりんこさん» えりんこさん♪お返事遅くなりすみません(;_;)ありがとうございます。嬉しいな。麗しの青さんだなんて、ほんとに嬉しいです。えりんこさんのお話の、凛とした青さんも、私大好きです！なかなかうまく表現できなくて困っていますが、また読みに来て下さったら嬉しいです (2014年11月20日 17時) (レス) id: b1673f9bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mio
| 作成日時：2014年6月7日 22時
