▽お米5kgのクリスマスプレゼントを貰うお話▽ (ページ3)

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「営業第一課クリスマス会のお知らせ」

12月。

珍しく浮かれた絵文字入りのメールが会社のパソコンに着信した。

去年はただの飲み会みたいな感じだったけど、今年は幹事が張り切っているらしく、プレゼント交換の企画まで盛り込まれていた。

事前にクジを引いて、書いてあった名前の人にプレゼントを用意するという企画らしい。

……増田さん、…増田さん、…増田さん！！

心の中で思い切り願掛けしながらクジを引いたけど、残念ながら別の営業の男性だった。

あーーーあ。

増田さんにプレゼント選びたかったなぁ、、、

一気にテンションが下がった。

その日の午後、自販機コーナーに飲み物を買いに行くと、

「貴久、プレゼント交換、誰にあげるのぉ？」

増田さんとよく一緒にいる、増田さんと同期の先輩だ。

甘ったるい話し声が聞こえて、思わず足が止まる。

「えー聞くなよ！それは秘密のルールだろ？」

「あはは、貴久ってそういうとこマジメだよねー♪ねぇ、私、貴久の紙引いたんだけどさ、何が良い？」

「あ、言っちゃってるしー！あーあ、楽しみなくなったじゃーん。」

…良いなぁ、先輩。増田さんが当たったんだぁ。

「ねぇ今日一緒に買いに行かない？貴久の好みで選びたいしぃ～」

『……っ、………』

やばい、これじゃ立ち聞きじゃん。

これ以上聞いちゃいけない気がして、飲み物を諦めて踵を返し、走って席に戻った。

増田さんと先輩、一緒にプレゼント選びに行くのかな…

それってデートだよね？

良いなぁ良いなぁ、私も増田さんとデートしてみたいなぁ。

そう言えば、お礼にご飯行こうって言ってくれてたのも、そのままだ。

別に奢ってほしいとか思ってるわけじゃないけど、やっぱりあの発言は、ただのその場のリップサービスだったんだなって…

でも例え私が増田さんのクジを当ててたとしても、あんなふうに積極的に買い物に誘うなんてできなかったから、結局は自分から行動しないと何も変わらないんだよなぁ。