思っていたよりも長く続きそうで悩んでおります（過去編） ページ44
馬車に投げられるように入れられた私は、いつも通り座席ではなくその床に座った
そんな私に、彼は心底嫌そうな顔をする
『おい、何してる』
『……？』
『何をしている、と聞いたんだ。しゃべれ』
『私の穢れた体のせいで、座席を汚してはいけないと思い床に座っただけです』
『座席なんて汚れても構わん。どうでもいいから、上に座れ。あと服を着ろ。コートを貸してやる』
そんなことを言われたのは初めてだった
思わず顔から笑顔が消えて、戸惑いの表情になってしまう
『え、あ、の……』
『さっさと座れと言ってるんだ。ちっ、早くしろ』
そういいながら彼は私に手を伸ばしてくる
びくっ！
驚いて、勢いよくその手をはたいてしまった
かすかに赤くなっている手を見て、彼が驚く
『あ……』
その瞬間に思い出したのは、主人に逆らってしまったときの『刑罰』
『お前な……』
『ご、ごめんなさいごめんなさい！お願いします！なんでもしますから！殴らないでください！お願いします！許してください！ごめんなさいごめんなさい！』
ただただ怖かった
この数年間、優しくされたことなんて一度もなかった分その優しさが
私を普通の『人間』として扱ってくれる彼が
怖かったのだ
彼は一瞬驚いた顔をしたが、すぐにため息をついた
『いや、悪い。俺が悪かった。俺は荷台にのるからお前はそのコートを着て、座席に座っとけ。変な考えは起こすんじゃないぞ』
彼はそう言い残すと「馬車を出せ」と命じ、荷台に乗り込んだ
涙目の私はただ彼に命じられるまま、コートを羽織り座席に乗り込んだのだった
―――――――――――
ついたのは、お城だった
馬車をおりて、彼とともにその城の中へと入る
『いいか、今日からお前はここで働く。名前はAだ。分かったな』
その彼の言葉に、私は止まった
『？……どうした』
『あ、の、喋ってもいいですか…？』
『……ああ、そうか。そんなことまでお前は禁じられたいたのか。いい、好きにしろ。ここでは自由に喋れ』
『ど、うして、私の元の名前、知って、るのです、か…？』
課題からの現実逃避をしています（過去編）→←早く甘々な恋愛を書きたいと考えております（過去編）
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しみにぬへすそ - ♪ (2015年9月12日 14時) (
レス) id: 37031e196d (このIDを非表示/違反報告)
鹿野蓮(プロフ) - 面白いぃ〜っ (2015年2月15日 22時) (レス) id: 916f29e9b3 (このIDを非表示/違反報告)
ファヨル(プロフ) - お話がいっぱいになってしまったので、新しく作りました！クリスマスバージョンを更新しているので、よければ見てください！ (2014年12月21日 11時) (レス) id: c8cc9c05ef (このIDを非表示/違反報告)
ファヨル(プロフ) - 紅茶さん» ありがとうございます！！更新遅くて本当に申し訳ないです！これからも、おもしろいと言ってもらえるように頑張りますねヽ(´▽｀)/ (2014年12月21日 11時) (レス) id: c8cc9c05ef (このIDを非表示/違反報告)
ファヨル(プロフ) - レモンティーさん» 面白いと言っていただけて、とても光栄です！いやいや、長文コメントめっちゃ嬉しかったですよ！ (2014年12月21日 11時) (レス) id: c8cc9c05ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファヨル | 作成日時：2013年12月10日 19時
