お迎え2 ページ10
俺は少し狼狽えてしまった。
でも、引き返そうとは思わない。
まっすぐメグさんの顔を見て俺は口を開く。
｢今日は、アオイを引き取りに来ました。｣
俺はソファに座っていたが、足が震え、手も強く握り汗が滲むのを感じた。
だが、メグさんと目を合わせることはやめなかった。
｢Aさんならきっと、いいえ…絶対言いに来てくれると思っていたわ。｣
メグさんはふっと息を吐き、いつものように笑って｢ねっ、アオイちゃん。｣と言った。
俺はメグさんの笑顔に安堵する間もなく本気で驚いてしまった。
俺が後ろを振り返ると部屋のドアが開き、上目遣いで緊張気味なアオイがいた。
｢アオイちゃん、いつもAさんと話すと廊下で聞いているんだもの。気になってたのよね、ずっと。｣
アオイは顔を赤くし、黙って頷いた。
メグさんは俺とアオイ見て優しく笑みを浮かべながらも真剣な声で話す。
｢アオイちゃんが孤児院に戻りたいって思うような事をしたら、私はアオイちゃんを直ぐに返してもらいに行きます。そしてあなたにもう二度と関わりません。いいですね？｣
｢はい。｣
｢アオイちゃん、ここの電話番号は教えましたね？何かあったら絶対に電話してください。困ったら何を聞いてもいいんですからね。｣
｢うん。｣
そう言うと、メグさんはアオイに近づき頭を撫でた。
アオイはメグさんに小声で何か言っているようだったが、何を言っているかは分からなかった。
メグさんは｢うん、そうね。分かったわ。｣と返事をして最後にアオイを抱きしめた。
アオイがを準備すると言うので、俺はアオイが普段過ごしている本の沢山ある部屋に一緒について行った。
アオイは忘れ物がないか指をさして確認している。
俺がぼーっと外を見ていると｢お兄さん、準備できました。｣とアオイが声をかけてきた。
俺が｢じゃあ行くか｣と立ち上がるとアオイが小走りで俺の前に来て｢こっち!｣と出口に連れて行ってくれた。
玄関にはメグさんとミオがいた。
｢ミオお姉ちゃん!!｣
俺はアオイがこんなに嬉しそうなのを初めて見た。
ミオもなんだか驚いているような様子だ。
｢よかったね。これでお母さんに会えるかも知れない、たまには連絡してよね。｣
ミオがアオイの頭をぽんぽんしながら言った。
アオイは｢うん!｣と満面の笑みを浮かべた。
他の子供たちも｢アオイちゃん行っちゃうの？｣と集まってきたが、みんな笑ってアオイにそれぞれ｢頑張ってね!｣｢ばいばい!｣｢また会おうね!｣と声をかけていた。
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白詰草 - コメントありがとうございます!!多忙なもので更新が遅くて申し訳ないです。スキマ時間で書いていきますので気長にお待ちいただければと思います! (2020年11月30日 16時) (
レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ＠うぇーい教おいしい美茶教(プロフ) - 初めまして…！題名に少しつられてのこのこやってきた者です！オリジナルなので、原作なども読まなくて良いし、どんどん引き込まれます…！ゆっくり更新でも良いので、更新、頑張ってください…！ (2020年11月29日 6時) (レス) id: e02f1d7237 (このIDを非表示/違反報告)
白詰草(プロフ) - コメントありがとうございます!!超スローペースで申し訳ないです。また読みに来て頂けたら嬉しいです! (2019年12月14日 1時) (レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - はじめまして！続きが気になって一気読みしました。これからも頑張って下さいっ(*^^*) (2019年12月10日 2時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白詰草 | 作成日時：2019年4月18日 1時
