孤児院 3 ページ4
｢｢｢｢いただきまーす!!!｣｣｣｣
子供たちが元気よく食べ始める。
みんなでご飯を食べる長い机には、たくさんのパンがあり、一人一人にシチューが取り分けられている。
｢あー!!わたしがそのパン食べようと思ったのにー!!｣
｢半分こしよー!!｣
｢メグさんおかわりー!!｣
ざっと10人くらいだろうか。
子どもがたくさんいると賑やかだ。
俺はメグさんとアオイに挟まれるような位置でパンとシチューを頂いていた。
一通りいただいてから疑問に思ったことをメグさんに問いかける。
｢メグさん、こんなにたくさんのパン…それにシチューもどうやって用意してるんですか？子どもたちなんて食べ盛りでたくさん必要なのに…｣
メグさんは子どもたちにシチューのおかわりをよそいながら答えてくれる。
｢いつもお店の売れ残ったパンや野菜、牛乳なんかをみなさんが持ってきてくれるんです。どうせ廃棄になるから食べてくれって…優しいですよね。｣
なるほど…どうせ捨ててしまうなら無償でくれるということか。
優しいメグさんの周りには優しい人が集まってきたんだな…
｢ねーねー!!お兄さんはいつも何してるのー？｣
｢お仕事はー？｣
｢どこから来たのー？｣
突然子どもたちからの質問がたくさん飛んできた。
どうやら食事が済んだようだ。
｢俺はA。普段は隣町で布やアクセサリーを売っているよ。｣
子供たちは｢あくせさりー？｣｢みせてー!!｣などと言って俺の周りに集まってきた。
アオイもアクセサリー作りに興味があるのか俺を見ている。
俺はどうしようかと考えた末に提案してみることにした。
｢んー、そうだ!みんなで作ってみようか!!｣
俺は仕事道具のセットから様々な色の糸を取り出して机に並べる。
｢みんなそれぞれ好きな色を3つ選んで、それを組み合わせてミサンガを作ってみよう!!」
俺が言うとみんなは｢ミサンガー？｣｢私この色がいい!｣などと言いながら糸を選び、ミサンガをみんなで一緒に作った。
｢今日は本当にありがとうございました。｣
メグさんが深々と頭を下げる。
子供たちも自作のミサンガを嬉しそうに身につけて見送りに来てくれた。
｢こちらこそ、ありがとうございました。｣
俺が子供たちに軽く手を振ると、子供たちははしゃいだ様子で元気に手を振り返してきた。
俺が車に乗り込もうとすると、アオイが小走りで近寄ってきた。
｢お兄さん、ありがとう…ばいばい。｣
またあのとても悲しそうな表情だ。
俺は｢ばいばい｣と軽く返し、孤児院を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白詰草 - コメントありがとうございます!!多忙なもので更新が遅くて申し訳ないです。スキマ時間で書いていきますので気長にお待ちいただければと思います! (2020年11月30日 16時) (
レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ＠うぇーい教おいしい美茶教(プロフ) - 初めまして…！題名に少しつられてのこのこやってきた者です！オリジナルなので、原作なども読まなくて良いし、どんどん引き込まれます…！ゆっくり更新でも良いので、更新、頑張ってください…！ (2020年11月29日 6時) (レス) id: e02f1d7237 (このIDを非表示/違反報告)
白詰草(プロフ) - コメントありがとうございます!!超スローペースで申し訳ないです。また読みに来て頂けたら嬉しいです! (2019年12月14日 1時) (レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - はじめまして！続きが気になって一気読みしました。これからも頑張って下さいっ(*^^*) (2019年12月10日 2時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白詰草 | 作成日時：2019年4月18日 1時
