３６話 ページ37
今日は焦凍と俺の退院の日
『焦凍、帰ろう…』
「…」
返事はなかったけれど差し出した手を力なくも握ってくれた
少し、安心した。握ってくれないかと思ったから
あの日から焦凍はほとんど喋らなくなった。
あの可愛い笑顔はもう、見れないのだろうか
俺のこと、嫌いになったのだろうか
「お兄ちゃん…」
『どうした？』
「僕は、要らない子なのかな。お母さんは僕のことっ…嫌いになったのかな」
その言葉に足が止まった
囁くほどの声に、やっと出した言葉に
なんと返せばいいのか、なんと返してやれば正解なのか
そんなことないと俺は言えるだろうか？
いや、言えない。俺にもわからない
焦凍の左側が醜い。母さんがそう言ったらしい
それは父さんに似てきているから。
じゃぁ、母さんは父さんに似てる俺は、俺のことは全部憎かったのだろうか
存在も、すべて、すべて
嫌で嫌で嫌で、
精神的にまいってしまうほど
俺のことも、嫌だったのだろうか
「ごめんなさい…」
『焦凍。』
左目の包帯
その場に膝をつけて目を合わせる
こんなに小さいのに、こんなに細いのに
心はどんなに傷ついて、ボロボロで
それでも心配かけないようにって我慢してんだろう
あぁ、なんて俺はこんなにも情けないんだろう
『お兄ちゃんは、お前のにいちゃんはこんなにも、こんなに弱いよ
弱くて弱くて弱くて。
誰も、守れない
焦凍のことも、母さんのこともっ守ってあげられなかった
こんな自分が嫌いだ、嫌いで嫌いで。大嫌いだよ
…だめな、にいちゃんだよなっ
俺は、おれ、は…
焦凍の、しょうとのっ
にいちゃんで、
いいのかなっ』
目の前が揺れる
弟の前では絶対泣きたくなかった。泣きたいのは焦凍のはずなのに
溜め込んでたものは止まらなく流れる。ボロボロと出てくる涙を拭いても拭いても溢れでる
自分が崩れる気がした
悔しい、悲しい、辛い、寂しい、情けない、
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要(プロフ) - lokilokiさん» 事後報告ですか？やめてほしいですね (3月25日 1時) (
レス) id: fff3568e99 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (3月25日 0時) (レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
葵葉 - 待ってほんとにヤバイ、ウンコドリルを真顔で渡すエンデウ"ァーはヤバイ。腹筋崩壊して夜中に小説見てるの笑い声でばれてまう。 (2022年12月26日 2時) (レス) @page5 id: 3c601836b6 (このIDを非表示/違反報告)
しょーとくん推し - 面白いです！ そば作るとこ面白くて一人悶えてました！ (2021年8月26日 1時) (レス) id: 6a10b02928 (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - もちさん» あらあらあら、ありがとございますっ！完結してるのに読んでもらえてうれしいでぷ (2020年8月28日 17時) (レス) id: 9c2ab0c7d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：要
| 作成日時：2018年2月19日 14時
