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また体がふわふわして心地よい揺れに目が覚める。私いつの間にか寝てたんだとまだ眠気の取れない体
そしてそんな私を負ぶっているヒロ君
私の大好きな人。私の大切な人
それでも恋人になろうとは思わない
『ヒロ…君』
「ん?起きた?」
少しだけ後頭部が動いて彼の横顔が見える
また迎えに来てくれたんだ
私がどこにいても彼は私を迎えにきてくれる。どうしてかいつも不思議だった
だって行き場所を教えたことなんて一度もないから
『ヒロ…』
ダラんとしてた腕をヒロ君の首に緩めに巻きつけて肩に顔を埋める
「どうしたの」
『迎えきてくれてありがとう』
「いつでもどこにでも行くよ。でも今日は嬉しかった_会いたい_なんて言ってくれてさ」
そんなこと言った覚えないけれど怠くて働いてない脳では考えられなかった
ヒロ君がそう言うならきっとそうなんだ
「次は大好きがいいな」
『…ン』
「眠い?寝ていいよ」
『…ン』
もう1度だけ抱きつき直して目を閉じる
出会った当初は弟ができたって嬉しかった。なのに月日は2人を変える
・
寝ている彼女を背に合鍵でドアを開けるてベッドに降ろした。気息正しく胸が膨らんだり下がったりする。ちゃんと生きてる
「可愛い…ねぇA」
頬を撫でると無自覚なのか擦り寄ってくる。何気ないその仕草にじっとしてられなくなって彼女の上に跨って顔を寄せる。あと数ミリでキスができるほどの距離で止まって
「早く俺のになリなよ」
前髪を避けて額にそっと唇を寄せる
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作者名:要 | 作成日時:2022年12月7日 17時