40枚 ページ40
目が覚めて、久しぶりにちゃんと寝たことに気づく
夜は任務を入れて朝から学校に行って、そのあとはまた任務
外を見ると真っ暗で随分と寝ていたんだなとわかる
「硝子ー、水持ってきてー」
カーテン越しに居るだろう硝子に声をかけると今日はやけに素直に足音が聞こえてはコップに液体が注がれる音が響き、それが止まるとこちらに近づきシャーっと開くカーテン
「さんきゅ、う…え?」
起き上がって彼女から受け取ろうとすると手が止まる
目の前にいるのは硝子ではない
僕が恋焦がれている人
「A、さんっ」
『はい、水』
「え、あ。ありがとう…」
手渡されたコップに受け取る時触れた指先
どうしようと想定していなかったこの状況を紛らすために一気に水を飲む
うん、無味…
『1年生の3人が運んできたよ』
「あ。そうか…僕授業中に」
『ちゃんと医務室に運ばれたのは初めてだね』
そっとベットの上に腰をかけて僕を見る彼女は穏やかで少しも怒っちゃいなかった
今になって彼女に触れたい気持ちが爆発しそうで。だけどそれを必死に耐える
『昔からわざと怪我したりしてここにきて、段々そんなこともしなくなってただ用もないのにここにきてたから』
「用はあったよ。いつだって。あなたに会いにきてた」
『…そうね。ずっとあなたは私の前に現れてずっとそばに居た』
静かに響く彼女の声が寂しくて、聞きたくなくて、でも聞きたくて
もう嫌われたくない。だけど好きだと言いたい
『五条くん。この間はごめんなさい』
彼女の謝罪に僕はハッとして彼女に「違う!」と声を出す
「なんでAさんが謝るの。謝るのは僕の方だ」
勝手に追いかけて、勝手に好きで、勝手に告白して
振られたからってキレて。無理矢理、乱暴にして
挙げ句の果てには彼女に「酷い」と言った
『ちゃんとあなたの話を聞かなかったから。だから今度はちゃんと話そう。』
そっと差し出された小指
『今度の週末家に来て』と、約束だと
それに同じく小指を絡める、折れてしまいそうなほど細くて柔い
『その時まで、五条くんはちゃんと自分がするべきことをしっかりやって。
私はその時までに自分のきもちに素直になる。…約束ね』
1646人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sou(プロフ) - 五条さんからの溺愛、、めっちゃ好きです!!今日も好きかのところが意味深すぎて! (2022年1月27日 0時) (レス) @page47 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
りぃ - 反転術式を使って花びら1枚増やしてた所でう"っ…ってなりました…なんかもう心臓痛すぎます…最後の今日も好きかの所も鳥肌モノで…!!!こんな素敵な作品をありがとうございます!!!!! (2021年12月30日 17時) (レス) @page43 id: 7225d3a88e (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - て、天才だああ (2021年12月28日 8時) (レス) @page47 id: 74bdb3d0ce (このIDを非表示/違反報告)
狗巻傑 - 最後の「結局今日"も"好き…か」のところで鳥肌めっちゃたちました! (2021年7月26日 14時) (レス) id: b6b1793042 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ(涙)かっこいい…。ぅぅぅぅ(涙) (2021年5月29日 11時) (レス) id: 4534ab9975 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:要 | 作成日時:2020年12月13日 2時