【呪術廻戦】黙ってろモブ２【男主】

じゅじゅさんぽ＜絵本の時間＞ ページ35

「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました」






胡座をかいた五条悟の上にちょこんと無表情の少年が乗せられた

彼を包むように腕が伸ばされた手には絵本「ももたろう」が握られている









『悟』

「どうした？眠くなった？」

『僕はひらがなも、それなりに漢字だって読める。読解力もたぶん悟よりあると思う』

「いまナチュラルに僕のことバカにしたよね」









桜庭Aを無理やり自分の元に置いて数ヶ月

育ての親としてたくさん愛を注いでいるつもり

何をしても上手くいくと過信していたらこの間硝子に「Aは手がかからないからそう思うだけ」とすっぱり言われた









『それにそれの内容はもう知ってる』

「あのね読み聞かせには絵本って相場が決まってるし、絵本ならまず桃太郎ってセオリーがあんだよ」

『別に読み聞かせてもらわなくても一人で読める』

「親の気持ち踏み滲む系の子供？」

『悟は親じゃない。僕に親なんていない』









寂しい表情なんて浮かべないこの６歳の少年






「じゃ、Aにとって僕って何」

『悟は悟だよ』









悟は悟。

そっけない一言がなんだか嬉しい

五条家の五条悟としてではなく









「落としてあげるタイプね」

『それより学校は』

「…」

じゅじゅさんぽ＜好きな食べ物＞→←６４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す