【ツイステ】その黒うさぎ、薔薇にて【男主】

その薔薇、宝物 ページ16

『今日はリドルにプレゼントがあるんです』




今日はボクの誕生日でなければ、何かの行事もないけれどAは少し恥ずかしそうにボクに小さな箱を手渡した


毎年、彼から誕生日プレゼントをもらうけれどすべて高価なもので何度、受け取るのになかなか難儀した事か


今回、何の前触れもなく手渡されたものも高価なものだったらどうしようと恐る恐る開けるとシルバーがキラリと光るアンティーク調の懐中時計

とても綺麗なデザインに目を惹かれボクは一瞬にして心を奪われた

すごい繊細なのに、なぜだか完璧とは言い切れない作品。でもそこが良い





「これ、どうしたの」


『僕が作った』


「え？」


『デザインからすべて僕が考えて作ったんだ。材料はお父様の会社から拝借したんだけど。ガラクタだからいらないって言われていたものだし…どう？』


「すごいよA！すごく気に入った！」


『ま、まぁ…時計屋の息子だしね』


「なんだかその言い方だと、どこかの村のおじいさんが営んでる小さな時計屋に聞こえてならないけど」


『あはは、じゃぁ超ハイブランドの時計メーカーの息子』





彼が初めて作った懐中時計

なんだかとても嬉しくて何度も蓋を開けたり閉じたりした

何回か繰り返すと蓋の裏に文字が刻まれている。

彼に聞くと初めて作った記念として製造年と僕の名前と彼の名前が彫られていた




「大事にするよ！」


『初めて作ったしすぐ壊れるかも…その時は僕に持ってきて、直すから』


「うん！」






ボクの宝物がこれでまた一つ増えた

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