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穴 kwkm ページ37

your side

「オソロの、買ってきたんだけど、、」

あーーとか言いながら頭をかいて恥ずかしそうにそう言った彼

語尾はほとんど消えかかっており何言ってるの、なんて茶化したりした

君が開けてくれた片耳のピアス

ピアスホールが安定したら2人でつけようねって買ってくれた赤色のシンプルなピアス

私のことを考えながら選んでくれたんだな、って幸せな気持ちに包まれた。

ね、もう安定したんだけど、なんで私たちこんなに不安定なんだろうね

今日の話があるってそういうことでしょ。

あー、嫌だな。大好きなのにな。

「久しぶり A」

『うん、久しぶり』

「時間あまり取れなくてごめん」

『んー、いいよ全然。気にしてないよ。』

「俺は寂しかったよ」

『、、それで話って何?』

「うん、あのさ。って、え、なんで泣いてるの」

『えっ?』

右頬に触れると何故か濡れる右手

あ、私泣いてるんだ、なんて客観的に考える

久しぶりに会えるから、ってメイクしっかりしたのにな ひどい顔になっちゃうな

頭は冷静なのに涙は止まらない

「ごめん、俺、なんかした?」

頭を横に振る 全部私が悪いの

「こんなとこじゃあれだし、俺ん家くる?」

そう言って喫茶店を出て彼の家へ行く

何度も行った彼の家

久しぶりに入ると少し配置の変わっている家具

「あのさ、話したいことあるって言ったやん」

『、、、いやだ』

「えっ、あー、そっか、うん、気づいちゃった?」

『、、嫌だ、嫌だよ』

「そんなに、嫌だったのか ごめん」

『離れたくない 別れたくない 私まだ川上さんのことこんなに好きなのに』

「は、、?離れる?別れる?何言ってるの?」

『別れ話なんて、しないでよ 私悪いとこ治すから』

その瞬間彼に抱きしめられる

「俺だってお前のこと好きだし離れたくない。別れるなんて言わないよ」

『だ、だって話があるって』

「、、部屋見て気づかなかった?」

『なにを、、?』

そう言って部屋を見渡す ソファやテレビが大きくなった キッチンに色違いのコップが並べられてる

「こっちきて」

そう言って寝室に連れてかれる

ベッドが 確実にふたり用のものになっている

「、、俺ずっと同棲したいって考えてて。でもサプライズで言いたくて 隠すために冷たくなっちゃって、それで、Aを不安にさせてたんやな ほんとにごめん。」

『次のおそろいは 名字がいいな』

早とちりなセリフを伝えると照れ笑いをした彼が

もちろん、と優しく口付けをしてくれた。

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作者名:やまだはなこ | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年5月20日 2時

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