anytime （渡辺） (ページ17)

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『え、私とですか？』

「そうそう、私と(笑) 」

『面白いことなんも起こんないですよ？お酒も飲めないし(笑) 』

「別に求めてないよ(笑) 」

『あはは、じゃあ、少しだけならいいですよ』

普通に良い人だし、話し上手だから

話してて楽しいし少しくらいいいかなって。

「ほんと？じゃ、決定ね」

連絡先を交換して、2人並んでタクシーを待つ。

タクシーが止まって乗り込もうとした時、

私のスマホが鳴った。

着信画面には “ ふっかさん “ の文字。

どうしたんだろ、こんな時間に。

なべ関連でしか連絡取らないから、

ふっかさんから直接なんて珍しい。

「先、タクシー乗ってるから電話してきなよ」

天堂さんはスマホを見つめるわたしにそう声をかけて

タクシーに先に乗った。

『もしもし、ふっかさんどうしたの？』

「 Aちゃん出てくれた！よかった！」

周りがザワザワしてるからお店かなんかだろう。

「今、居酒屋居るんだけどなべが酔い潰れたから家まで送ってあげて欲しいんだけど！」

なべが潰れるなんて、珍しい。

見た目によらず、あんまりお酒飲まないのに。

『え、私が？てかなべからなんか話聞いてない？』

「聞いてる聞いてる。喧嘩中なんでしょ。なべがまた余計なこと言って！わら」

『だから無理ですよ～、絶対なべ怒だもん』

「自己中！て叫んだんだって？わら」

『そんな細かく聞いたの？』

「勝手に話してきたの！なべが！まあとりあえず来てね！」

『まってまって、ふっかさんが送った方が早くない？』

「俺は今から彼女が家に来るから帰らなくちゃならないの！だから20分以内によろしくね！わら」

地図送っとくから絶対来てよ！と念を押した後、

ふっかさんは一方的に電話を切った。

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