叶 え て や る よ 〈T.F〉6.

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〈 藤 side 〉




「誰が大きいもの買いに行くかなー？」

『俺、行ってもいいよ』

「本当に？」

『うん、Aもだけどね』

「え？持って帰られるかな？」

『持って帰れるでしょ、その筋肉あれば』

「ちょっ！おいぃぃ！！」



バンッ。



軽くスケちゃんの腕を叩いて、


「筋肉マンじゃないし！！」

『あははははっ』







.







信号待ちをしていた。





ふと、何気なく見た方にAの姿があった。




…旦那？



…帰ってきてたんだ。





窓を開けたって、二人の会話が聞こえる距離じゃないし、





Aは気付いていない。








ずきずきと胸が痛む音だけは、しっかりと聞こえ続けている。








藤「…スケちゃん？！」



旦那と思っていた人は、俺の友達だった。






なんで？どうゆうこと？







二人は俺に気付かないまま、


楽しそうに通り過ぎて行った。







A、楽しいの？


俺はこんなにも苦しいよ。




A、幸せなの？


俺はこんなにも哀しいよ。









A、帰ってきたの？







なんで俺に連絡してこないの？









プップーーーッ！！！





藤「？！あっ」




いつの間にか信号は変わっていて、隣にいたはずの車は俺よりずっと前にいる。





慌てて発進して、思った。








Aもあんな風にもう前を歩いてんのかな？

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