叶 え て や る よ 〈T.F〉6.

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「どうしたの？」

藤「…スケちゃんと付き合ってんの？」

「え？…そんなわけないじゃん」

藤「俺は、こっちに帰って来たのに俺の元へ戻ってこないのはなにかあるんだって思ってたけど」

「…太輔、それは今じゃなくても」

藤「離婚してないんだね。また単身赴任することになったの？」

「え？」




離婚してなかった？





藤「スケちゃんが新しい恋人？」

「え？ごめん、ちょっと待って、なに言ってるの？」




太輔の誤解をちゃんと解こうとしたのに、



『そうだよ、俺がAの新しい恋人』

「スケちゃん」



チョット、待ってよ。



「スケちゃん、ややこしくしないで。別にスケちゃんと私はそうゆうのんじゃないじゃん」

『今はね。でも、これからそうなる可能性はあるでしょ』

「は？いや、ないよ」

藤「スケちゃん、ごめん。今。俺はAと話してるんだよ」

『太輔、"Aさん"でしょ？』



…スケちゃん。



藤「Aでいいんだよ」

『…A、戻ろう』

「あ、う、うん」





もうすぐで二次会は終わる。

最後の締めのこともあるし、アンナたちに挨拶をしてもらわなきゃいけないし。





「太輔」

藤「…。」

「誤解だけ解いておく」

藤「なに？」

「私、離婚してこっちに戻って来たよ」

藤「…え？」

「スケちゃんともなにもないよ」

『A』

「…一度、ちゃんと話そう」

藤「分かった」




スケちゃんに引っ張られるようにして、私は太輔の前からいなくなった。




「スケちゃん、ややこしくしないでよ」



いつも助けてくれていたスケちゃんだったけど、今はちょっと腹が立つ。





『嘘じゃないから』

「なにが？」

『俺、Aに会いたい、これからも』

「…え？だから、それは」

『サブローの為の嘘じゃない。本当のこと。本当にAに会いたいから』

「…。」

『太輔と、付き合ってたんだな』

「…え？ち、がう」

『ごめん、聞いてた。でも、そのことについてはなにも言わねぇから』




太輔とも話さなきゃいけないのに、

スケちゃんまで話をややこしくさせないで…。




『今日、終わったら俺と話そう』

「え？」

『太輔じゃなく、俺と』




…どうしよう。

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