叶 え て や る よ 〈T.F〉6.

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玉「あ…Aだ」

藤「は？」

玉「Aでしょ？」

藤「え？ちょっと、待て」

宮「ん？」

玉「Aだ」






『どうする〜？』

「男のコのんだと、分かんないよ」

『んー、俺もさぁ、自分の趣味しか分かんねぇもんなぁ』

「えー、そんなこと言ったら」

玉「A」

「…ん？…？！！」



急に後ろから名前を呼ばれて、振り向いたら…



玉「やっぱりAだ」



『知り合い？あれ？』

「し、知り合いじゃないけど知り合いのような、いや、やっぱ」



目の前には、玉ちゃんがいる。


だけど、私は知り合いではない。

もちろんこっちは知っております。




玉「本物のAだ」

「ほん、もの？」

『太輔の…』



はっ…！！




「あ、あのっ！」

玉「なにしてるの？ガヤが来てるの知ってたの？」

「いえ、あの」



どうしよう、どうしよう、どうしよう？！？！


頭の中をフル回転させても、パニック！！！！！





藤「玉っ！」

「？！」



ドンキーに来たことを後悔し始めております。



玉「ガヤ〜、Aが止まってる」

藤「玉、来いっ」

玉「え？なに？え、え、え？」

藤「スケちゃん」

『あ…仕事中？』

藤「うん、またね」



太輔は私に小さく会釈をして、玉ちゃんを引きずるようにして私たちの前から去って行った。




『…A』

「な、に？どれにするー？」

『太輔のこと、知ってんの？』

「さあ？知らない〜っ、どれにする？」

『…ちょっと、出よっか』

「え？なんで？買い物しちゃおうよ」

『んー、ごめん。ちょっと話したい』

「…。」



スケちゃんがなにを言いたいか、なにを話したいのかがひしひしと分かるから、話したくなくて…買い物を続けようとした。



『A？』



でも、無理だよね。



「いいよ、どっかでお茶する？」

『うん、そうしよ』



私たちはドンキーを後にした。



近くにあるカフェに入って、スケちゃんが話を切り出すまで私はなにも言わない。




スケちゃんに太輔のことを聞かれたら、なんて答えるべき？

どれが正解？なにが正しい答え？




『Aさ』

「…うん」

『太輔と知り合い。…だよね？』



さあ、なんて答えるのが正しい？

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