【reborn】augurio... (ページ20)

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｢…隊長、まずいですね｣

｢っ…ああ。｣

ピリついた雰囲気の中、私は前を歩く隊長さんについて歩く
心臓が、不快なほど早く脈打っているのがわかる

『っ…じ、状況は…？』

状況を知らないと足でまといになりかねない…
恐る恐る尋ねると、小声で返答が返ってくる

｢敵の数は恐らく30人を超えてます。どんどん増えてきている
多分、計画的に進められていたことでしょう、現に今私たちは人気のないところに追い込まれている｣

そう言われてはっとなった
たしかに、人通りが少なくなってる…！

思わず顔が青ざめる

『け、計画的、ということはもしかして…』

スパイが紛れ込んでいたんじゃ…

そう続けようとした私に隊長さんは首を小さく横に振る

｢その線は薄いかと。スパイがいるのであればこんなに遠回しなことはせず直接狙ってくるかと。それより問題なのは、敵の狙いは確実に…｣

A様だということです。

その言葉にぞくりとした

｢最近、マフィア間でA様の存在が知れ渡って来ています。恐らく力を狙っている連中かと。｣

｢もしかしたら、随分前から張られてたのかもしれないっすね。出てきたら行動するように作戦が立てられていたのかも｣

『そ、そんな…』

一瞬静かになったが、隊長さんが私に少し振り向き言った。

｢A様、今から路地裏に入ります。入ったら走って逃げてください。我々は術士で体術での戦闘は得意ではありません。ましては、この人数差。時間稼ぎしかできません。そのすきに、走ってヴァリアー邸に向かってください。先程伝令を飛ばしているので上手く行けば応援と合流できます｣

『！そんな、じゃあみなさんは…』

｢我々のことは気にしないでください｣

と別の隊員さんが続ける

『そんな、そんなこと出来ません…！』

｢A様。ご理解ください。敵の狙いはあなたです。あなたが捕まってしまうことが最大の損失となるのです。｣

そういい、角を曲がった次の瞬間

パァァァンｯ！！！！

目の前に、見慣れた赤い飛沫が舞った