【アバンティーズ】気に入らないあいつ

第13話 ページ13

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頭をマフラーでぐるぐるにされて、目の前が真っ暗になる。そのマフラーからはそらくんの柔軟剤と同じ匂いがして、ああそういえば一緒に住んでたんだっけ、と思い出す。


帰るよ、そう言われたけど正直頭がくらくらして上手く立てない。あぁ気持ち悪い…。



「…立てない、フラフラする…」



そう言うと前の方から、はぁ、とため息がひとつ。

マフラーを外されて視界がぼんやり明るくなると、目の前でしゃがむエイジがいた。

…あ、これはつまり、





「ほらはやく、みんな見てる」

「重いとか、言わないでよ…」





おぼつかない足取りで近づき、おじゃまします、と恐る恐る彼の広い背中に体を預ける。


「重い」

「もういい降ろして」

「冗談でーす」


はは、と笑ってエイジは歩き出した。



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髪の毛真っ赤だなーとか、なんだかんだ送ってもらうのこれで2回目だなーとか、色々考えていたらまた眠くなってきた。心地いい振動に、思わず目を閉じる。





「眠いの？」

「…ん、ねむい、かも」

「寝てていいよ、着いたら起こすから」






すぐ近くで聞こえる低い声に安心して、彼の首元に顔を埋めた。






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