第38話 ページ38
__Tsurime side
「で、今日はAちゃんに渡したいものがあって、」
「え、なになにー」
カバンの中から手探りで見つけた封筒を机に置く。封筒を開けたAちゃんは不思議そうに首を傾げている。
「…う、フェス?」
「違う違う。リピートアフターミー。ゆー、フェス」
「ゆー、フェス」
「U-fes」
「U-fes」
「エクセレント!」
俺が渡したのは再来週のU-fesのチケット。しかもめっちゃ前列のやつ。
フェスでえいちゃんを見れば間違いなくキュン死するだろ!!というそらとりっくんと俺の安直な考え。
これでAちゃんはえいちゃんに惚れ直して、素直になれないふたりはくっつく!ハッピーエンド!というわけだ。
「音楽フェス?」
「んーん。それね、YouTuberのフェスなの」
「YouTuberの……?」
「Aちゃん来ないかなと思って」
「ほう、」と言ってまじまじとチケットを見るAちゃん。
「えいちゃん見れるよ?」
「…ふーん」
「来る?」
「…い、いいの?」
「ぜひ来て!」そう言うと、俺に悟られないようにしつつもちょっと嬉しそうなAちゃん。このチケットはマネージャーさんに無理言って取ってもらったもので、かなりいい場所だ。
「えへ、…ありがとね、みっくん」
「いやいやいや可愛いかよ。俺と付き合う?」
「付き合わなーい」
ちょっと照れたように笑うAちゃんが可愛い。
えいちゃんには勿体無いなーとか考えてたら、今日の動画撮影の時間が近づいてきた。早く帰らないと。
「じゃあ、予定空いてたら行くね」
「うん!待ってる!」
バイバイ、と手を振って別れた。
とりあえず再来週が楽しみでルンルン気分でTwitterを開くと、そらがえいちゃんの写真をアップしていた。あっちも成功したみたいだ。
「ほんと世話が焼けるなー、あのふたり」
そう言いつつも俺の頬は緩みまくっていて、周りの人に不思議そうな顔で見られたが気にしない。
早く再来週にならないかなぁとカレンダーの日付を数えた。
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あや(プロフ) - ぜひ!ぜひ!ぜひ!続きを!!更新待ってます!! (2018年8月5日 22時) (レス) id: 5116ee690c (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - ☆ルナ☆さん» あと少しですがお付き合いください!(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 23時) (レス) id: fd69086671 (このIDを非表示/違反報告)
☆ルナ☆(プロフ) - キュンキュン/////(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 0時) (レス) id: 915f053575 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - Cさん» コメントありがとうございます!!これからもキュンを追求していきます…! (2017年11月24日 18時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 冬春@アバ小説更新中さん» こっちも嬉しいです…!これからもお楽しみください〜! (2017年11月24日 17時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タバタ | 作成日時:2017年11月6日 15時