第22話 ページ22
.
『着いた』という短いメッセージが届いて、玄関のドアを開けるとそこには息を切らしたそらくん。
「走って来たの?」
「…っ、うん、ちょうど近くにいたから…はぁ」
「おおお…とりあえず入って」
そらくんを部屋に入れて鍵をかける。
振り返ると、そらくんは靴を脱がずに突っ立ったままだ。なんだなんだ。
とりあえず、上下しているその背中に声をかける。
「…おーい、」
…おっと、無視ときたか。
「ねぇねぇ」と背中をつんつんすると、そらくんはバッと振り返った。
急に手首を引かれてそらくんの体に倒れ込む。そらくんは、つんのめった私を片手で抱きとめた。耳のすぐ横で低い声が聞こえる。
「………ね、A。聞いて」
「…うん」
「俺、Aのこと好き。気づいてると思うけど」
「………うん、」
「俺の彼女になってくれませんか」
人に好きになってもらえることって、素直に嬉しい。そらくんみたいに優しい人にならなおさら。
だけど、なんでなんだろう。
「……え、っと」
そらくんみたいな人が彼氏だったらなぁとか、そらくんに嫌われるのはやだなぁとか、そんな気持ちは嘘じゃなかったはずなのに。
『はい』というその2文字が言えない。
.
506人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや(プロフ) - ぜひ!ぜひ!ぜひ!続きを!!更新待ってます!! (2018年8月5日 22時) (レス) id: 5116ee690c (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - ☆ルナ☆さん» あと少しですがお付き合いください!(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 23時) (レス) id: fd69086671 (このIDを非表示/違反報告)
☆ルナ☆(プロフ) - キュンキュン/////(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 0時) (レス) id: 915f053575 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - Cさん» コメントありがとうございます!!これからもキュンを追求していきます…! (2017年11月24日 18時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 冬春@アバ小説更新中さん» こっちも嬉しいです…!これからもお楽しみください〜! (2017年11月24日 17時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:タバタ | 作成日時:2017年11月6日 15時