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「にしても、
蛞蝓との共闘なんて、嫌だなぁーーー」
翌日の夜。
港に中也と太宰は向かった。
太宰は大きい溜息を中也に聞こえるようにと言わんばかりに着いた。
「嗚呼?
そりゃア、こっちの台詞だ青鯖。
誰が好き好んで共闘なんてするか!」
どことなく、中也と太宰は余裕があるように見えた。
嘗て、双黒と呼ばれたあの頃の様に今夜限りの共闘は2人ともうんざりしているが、止める訳にはいかなかった。
恋しきあの人を守る為にも。
過去にケジメをつける為にも。
港付近に着いた。
太宰が見渡すと、それらしき黒いコートの奴らが2人いた。
「随分…堂々と出てくるのだねぇ。拍子抜けしてしまいそうだ。」
黒いコートにはフードが着いていて、顔がよく見えない。
「どっちが花か分かるか。」
中也は鋭い目で相手の顔を覗こうとする。
「生憎、ここの位置じゃ顔が見えない。」
黒いコートの奴らは戦闘体勢に、構える。
「まぁいい。
死なねぇ程度にぶっ倒す。」
中也も戦闘態勢に構える。
そして、中也は勢いよく腕を振る。
黒いコートの奴はスレスレで避け、体を柔く使い、宙返りした。
宙返りした先にはもう1人いて、そいつは銃を発砲した。
中也は避け、銃を持っている手を蹴る。
「重力操作」
手を蹴った奴は体を全体が重くなり、みしみしと床に沈む。
すると、もう1人の方からナイフが飛んでくる。
飛んでくると共に拳が入る。
「ナイフはフェイントか…」
中也は拳を手でガードし、そのまま手を握り、重力で沈める。
2人とも気絶し、ピクともしなくなった。
流石はマフィアきっての体術使いというべきだろう。
圧倒的な強さだ。
「中也は分かるかい?」
太宰は中也に試すように聞いた。
「嗚呼、銃を発砲した時点で分かった。」
2人のフードを取った。
「此奴ら、2人とも花じゃねェよ」
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作者名:花蓮 | 作成日時:2019年12月31日 11時