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A side_
『まず、お互いの希望を話しましょうか。』
「…なぁ、その敬語やめねぇか?」
『嫌ですか?』
「嫌と言うかやりづらい。」
貴方は…何を考えているのですか?
馴れ合って隙を探るつもりなのですか?
『…交渉が成立して、貴方が私を認めてくれたのなら。
希望通りに致しましょう。』
「…そうか。」
彼はどこか不満そうだが頷いてくれた。
*ーーー*ーーー*
私はボスの言う通りに動く。
操り人形の様に。
いつでも、ピエロとして生きる。
だって…それしかないから。
私の人生は政府に壊された。
もし…もし、あの人とまた会えたのなら。
私を操る糸を切ることができるでしょう。
人間に戻ることができるでしょう。
でも、もうあの人はいない。
もう、帰ってこないんだ。
町ごと、国ごと、政府に焼かれたんだ。
大事な家も、大切な家族も、思い出も…何もかも。
私はこの世界の残酷さに気づいてしまった。
ボスに、気付かされてしまった。
謎の使命感を感じてしまった。
『この世界を…壊す!私が、作りなおすんだ!』
そんなことを言うと、ボスは満足そうに笑っていた。
ボスが、笑うから。
満足そうに、笑うから。
私はどうしようもなくなった。
言う通りにしたら笑ってくれる。
そう錯覚したんだ。
いつしか、私は自分の目的とは程遠い事をしていた。
私は、一体何を望んでいる?
分からない。
だから周りにすがる。
誰かの望むピエロになる。
ねぇ、レオン。
貴方はどんなピエロを望むの?
笑顔以外を許されないピエロ?
泣き顔の呪われたピエロ?
人々から怖がられる、恐怖のピエロ?
そんな単純なものじゃないのかもしれない。
どんな台本でもいい。
私が死ぬ物語でもいいから。
私に、目的を下さい。
どんな風に生きればいいのか、教えて下さい。
そして、望んでいいのなら
帰ってきてよ……
レイ君っ…!
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おとひび(プロフ) - ろろさん» わぁありがとうございますっっ!!すごく励みになります!了解です書きますっっ! (5月2日 20時) (レス) id: 7349489dec (このIDを非表示/違反報告)
ろろ - なんだかものすごくわくわくします!!!是非続きを書いてくださると嬉しいです🥹🥹 (5月1日 22時) (レス) @page17 id: 4cf545d201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おとひび | 作成日時:2023年10月14日 21時