40、1人で嗜むストレートティー ページ42
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「駄目だ、全ッ然見つからない……」
絶賛心が折れかけ中の私です
彼は予想する場所には何処にもいなかった。直ぐに終わるだろうと思われたこの捜索は一筋縄ではいかなかったらしい
＿
「此処には来てないですか」
「はい、数日前には御来店頂いたのですが……」
うずまきには暫く来ていなかったし、
＿
川を捜索した時は
「遂に河口まで来ちゃった…」
ボロボロになりながら相当長い距離川を捜索しても河口に辿り着くまで見つからず、
＿
「いない……ていうか見えない……」
ヨコハマを一望するマリンタワーから双眼鏡で捜しても見つからず、
＿
「お客様、そろそろ他のお客様もいらっしゃいますので……」
「あっすみません直ぐ帰ります」
駅前のカフェで何時間か張っても現れず私だけ恥をかき、
＿
「すみません、この人見てませんか」
「あらお姉さん綺麗ね〜！いくつ？大変ねぇ。私服警察の方かしら？」
「…高校生です……」
聞き込み調査では年齢を多く見積もられ(複数回)
＿
……とこのようにこの数時間で私の心身は共に疲れ果てボロボロだった。
自動販売機で飲み物を買いベンチで休みながら溜め息をつく。送ったメールはまだ返ってきていない
鬱憤を晴らそうと買ったストレートティーを流し込んだ。矢張りペットボトルの紅茶は私には少し、甘すぎる。
口に残る甘さは昔から変わらない。紅茶を淹れるのが下手な太宰さんがよく買ってきていた。当時は酷評していたけど、別に悪くはなかったんだ
(一体何処へ行ったんですか……またあの時のように何も言わずにいなくなるんですか)
(───私を1人置いて。)
日が落ちた夕方のヨコハマ。子供が母親と手を繋ぎながら倖せそうに歩いているのが見えた。其れはかつての私達のよう。
(駄目だなぁ私。一人暮らしを始めてやっと自立出来たと思ったのに)
1人で歩いた横浜は楽しくなかった。
夕方の静けさがやけに耳につく
(……もう少しだけ、頑張ってみようかな)
腰を上げ立ちあがろうとする
其の時、誰かの手が私の手に重ねられ耳元で囁かれた
「───暫し眠れ。」
暗転。そこで私の記憶は途絶えた
「……可愛いA、どうか許しておくれ。そなたまで失う訳にはいかんのじゃ」
Aを抱き上げた人物は影へと消えていく。其処には中身が少し残ったペットボトルだけが残されていた
＿
41、“ here sweetie ”→←39、目覚めぬ少女
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しじま(プロフ) - しじみさん» はわ…コメントありがとうございます…！！最初しじみ様のお名前拝見した時私の名前と似ていて一瞬困惑しました笑 面白いだなんて…お褒め頂き光栄です、めちゃ励みになります！更新お待たせしてしまう事もあるかと思いますが今後ともよろしくお願いします♡！ (2023年4月6日 12時) (
レス) id: 56a96b1c08 (このIDを非表示/違反報告)
しじみ - めっちゃ面白いです！！！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: cb27ff8610 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しじま | 作成日時：2023年2月25日 12時
