3、虎の正体は ページ4
▶︎▷
「おい太宰！！」
「あぁ遅かったね、虎は捕まえたよ」
「！その小僧…」
足早に声の元へと駆けつけた
然し何処を見渡しても虎は見当たらない。1人質素な格好をした青年が横たわっているだけ
………じゃあ
「彼が虎の正体？」
「あぁ。虎の異能力者だ。変身してる間の記憶がなかったんだね」
✲
「社員にするってことは……私に後輩ができるってことですか？」
「よかったねAちゃん、君の後輩は期待の新人だ。ひとまず社員寮の空き部屋に運ぼうか」
「まてまて、話を勝手に進めるんじゃない」
俺は反対だと国木田さんは云った。
勿論私だってこの世界に何も知らなそうな男の子を巻き込むのは気が引ける
「何かいけないことでも？国木田君」
「大有りだ！！自分勝手すぎるぞ、太宰貴様！」
…この二人は仲が良くない(気がするだけかもしれないが)。
ペアを組んではいるものの性格が合わないのか、よく揉めている。そして私はどちら側にもつくことができず其の場を凌ぐので精一杯なのだ
「この小僧は見たところ異能力を自分で操ることができない。それがどれ程危険なのか───」
「社長に頼めば？社長の異能力で何とかなるんじゃない。ほら僕みたいに」
だって面白そうじゃん、
然う云ったのは江戸川さんだった
「乱歩さん！」
「…江戸川さん」
意外にも江戸川さんは虎の彼が探偵社に入社することに前向きらしかった。規律には厳しそうな方だと思っていたので反対するかと思ったのだけど。
「そうですね、私も江戸川さんの意見に賛成です。私たちだけで決めるべきではないと思います。
それにこの子を野放しにしておくのも危険な気がします」
……それに
「後輩、欲しかったんですよね」
「アアア！Aまで！」
「A、考え直せ。いいか先ず此奴はよく食うんだ食いすぎるんだ。今日だって太宰と共に俺の財布を空にする勢いで茶漬けを食っておきながらなぁ…！」
「…」
いつもお疲れ様です
なるほどこれは国木田さんの財布と胃が危ないということか
ただでさえ今現在(主に)太宰さんのことで胃を痛めているのに、これ以上胃痛の原因を増やすのも可哀想だ
「おすすめの胃薬教えましょうか？」
「…三箱頼む」
そんな中、国木田さんの苦労も知らず楽しそうに鼻歌を歌っていた太宰さんが振り返って微笑んだ
「まぁひとまずさ、敦君を社員寮に運ぼうではないか！……話はまた明日すればいい」
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しじま(プロフ) - しじみさん» はわ…コメントありがとうございます…！！最初しじみ様のお名前拝見した時私の名前と似ていて一瞬困惑しました笑 面白いだなんて…お褒め頂き光栄です、めちゃ励みになります！更新お待たせしてしまう事もあるかと思いますが今後ともよろしくお願いします♡！ (2023年4月6日 12時) (
レス) id: 56a96b1c08 (このIDを非表示/違反報告)
しじみ - めっちゃ面白いです！！！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: cb27ff8610 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しじま | 作成日時：2023年2月25日 12時
