検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:530,229 hit

16:一触即発 ページ18

「…なんでここにいるんスか」

「私がここに居ちゃダメなの?」


彼の冷たい声が、やけに耳に残る。

自分の声が震えていたのもよくわかった。

嫌だ。嫌。

誰か___









「なーにしてんのっ」

険悪なムードを崩す、能天気な声。振りむくと__


「…っ、祥吾」

「おー。誰かと思えば、俺らの天敵のリョータじゃん」

そう言い、ケタケタと笑う祥吾。その声には妙な安心感があった。

一方黄瀬くんは、ちっと舌打ちをし、


「あー…本当だったんスね」

「…え?」



「椎名Aが、灰崎祥吾とつるんでるって噂」

まるで犯罪者を見る目で私たちを見る彼。その目は、もう、大好きな彼の優しい目ではなかった。


「なんすか?灰崎(そいつ)巻き込んで、俺らに復習しようとか?」

「…そんなこと、しないよ」

「どーだか」

必死に振り絞った声で答えたが、彼は私の言葉に冷笑した。そんな彼に、祥吾が「…てめぇ」と、掴みかかる。私は、それを慌てて制した

黄瀬くんが、今度は祥吾のほうを見る。


「あんたも、こんな奴に関わるとロクなことないっスよ」

「…あ”?」

「あー。”こんな奴”だから付き合ってんすか。『類は友を呼ぶ』…ってやつっスね」

「…何も知らねーくせに、随分大口叩くなぁ、リョータぁ…」


祥吾が今にも殴り掛かりそうなくらい、怒りをあらわにしていた。それでも、黄瀬君は話すことをやめなかった。


「まぁ、犯罪者同士。これからも仲良く__」

「…っの、歯ぁ食いしばれぇ!!リョータぁ!!!」




___ドゴッ


鈍い音が響く。

それと同時に、黄瀬が「…ぐっ」と苦しそうにもがきながら、地面に倒れた

その場にいた全員が、呆気にとられる。


なぜなら、

彼に、思い切り蹴りを入れたのは



灰崎ではなく





「…」


Aだったからだ。








17:怒り→←15:黒子テツヤ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (777 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1089人がお気に入り
設定タグ:黒バス , 灰崎祥吾 , 黄瀬涼太
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミユウ - むっくんの作品もよかったけど、こっちも好き!なんか主人公が最後には報われるようなやつ。本当書くの上手だね! (2015年5月3日 21時) (レス) id: f62038dd2e (このIDを非表示/違反報告)
(* ̄ー ̄) - 毎回楽しみにしてます!! (2015年5月2日 22時) (レス) id: 639f544728 (このIDを非表示/違反報告)
水島リツ(プロフ) - 月葉さん» 楽しみだなんて…とっても嬉しいです!更新頑張ります (2015年3月16日 19時) (レス) id: 1b884eaa7e (このIDを非表示/違反報告)
水島リツ(プロフ) - だるさん» ありがとうございます^^頑張ります (2015年3月16日 19時) (レス) id: 1b884eaa7e (このIDを非表示/違反報告)
水島リツ(プロフ) - kibukibuさん» でしょう?最近この言葉聞いて思いついたんです! (2015年3月16日 19時) (レス) id: 1b884eaa7e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:水島リツ | 作成日時:2014年12月1日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。