∞虹色の憂鬱∞２ (ページ44)

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「隆ちゃん。」
「奏、いつの間にマルの呼び方変えたん？」
財前が珍しく驚いている。
「…わりと最近。」
「そうなんや。」
「柊ちゃんたちこそ、そんな仲良かったっけ？」
心なしか市丸の顔が不機嫌そうに見えた。
そういえば自分で独占欲が強いと、どこかのインタビューで言っていた気がする。
もしかして嫉妬されているのかもしれない。
「まぁ俺ら付き合っとったことあるし。」
涼しい顔をして財前が爆弾を投下した。
(ちょっ、今それ言ったらマズいんじゃ…。)
と思って隣を見るとニヤついているグッドルッキングガイ。
この男、絶対におもしろがっている。
「そうなんや。」
今度は市丸が驚く番だ。
見る見るうちに真顔になっていく。
「それより隆ちゃんどうしたの？柊ちゃんに用事？」
慌てて繕う奏。
「いや、奏に用事があったんやけど…もうええわ。」
「え、そうなの？わたしなら今空いてるけど。ね、柊ちゃん？」
しかし市丸の表情は曇ったままで、隣の奴に助けを求めようにもシカトされる。
この状況を一人で打破できる自信は奏にはない。