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128話 ページ3

「終業式長すぎん!?」

「それな!!」

「暑すぎて死ぬっつーの!」




 愚痴で溢れかえる女子トイレ(という名の溜まり場)は、いつにもまして騒がしい。隣の菜穂も、さっきから終業式の愚痴ばっかりだ。

 汗でヘアセットやメイクが崩れ、女子は散々な目にあった。…もちろん私も。

 だから限られた数しかない鏡の前に大勢が集まり、押して押されてぎゅうぎゅうで暑苦しいなか自分の見た目を直している。

 これじゃあもっと汗かいて、酷くなる一方なのでは…

 私はもう諦めて、タオルである程度汗を拭き取りメイクも落とした。でも菜穂は意地でも直そうとしてるから、それに付き添ってるんだ。




「あー、彩、ビューラー持ってる?」

「もう睫毛はいいよ!!早く行こ!充分可愛い!」




 暑すぎて、我慢ができなくなった私は菜穂の手を強引に引っ張りトイレを出た。

 教室に入ると、ふわっと涼しい空気が私を冷やしていく。最高。




「すごい汗だね。」




 たまたま私達の近くにいた美門くんが、こっちに近づいてきた。

 只でさえ汗をかいて真っ赤になった顔が、もっと熱を帯びていく。




「う、うん〜」

「校長先生の話、長かったし。」

「そう、だよね〜…」




 こんなびっしょりの姿を知り合いに見られるなんて、は、恥ずかしい…

 わたしはこっそり、菜穂をきつく睨んだ。

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月瀬澪海 @ゆぅら(プロフ) - カタツムリさん» コメントありがとうございます。 そして教えてくださりありがとうございます!144話の58分は、28分の間違いでした。訂正しておきます。勉強、小説、期待に応えられるよう頑張りますね!7章は今月30日公開となっていますので、楽しみにしていてください! (2021年3月22日 20時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
カタツムリ - 応援してます (2021年3月22日 16時) (レス) id: 6d691f3685 (このIDを非表示/違反報告)
カタツムリ - いつ更新するのかと毎日確認してます。頑張ってくださいね。(小説、勉強含め) (2021年3月22日 16時) (レス) id: 6d691f3685 (このIDを非表示/違反報告)
カタツムリ - 話数間違えました。正しくは143と144です (2021年3月22日 7時) (レス) id: 6d691f3685 (このIDを非表示/違反報告)
カタツムリ - この作品面白いです (2021年3月22日 7時) (レス) id: 6d691f3685 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月瀬澪海 | 作成日時:2021年2月28日 22時

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