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142話 ページ16

「何か食べたいものある?」

「うーん… りんご飴、とか。」

「了解、じゃあ買いに行こっか。」




 人がごった返す、ごちゃごちゃした河川敷。

 両サイドに屋台がズラリと並び、道のようになっているからか、余計に人の密度が高い。

 背の低い私は、押し潰されそうになったり逆方向から来るの人の波に流されそうになったりする。


 そのとき、手に細い指の感触がした。

 驚いてその手の主の方を見上げると、美門くんが僅かに頬を赤らめて笑っていた。




「離れちゃわないように、ね。」

「う、うん…」




 触れるだけだった手がぎゅっと握られて、反射的に頬が中から燃えるように熱くなった。

 繋いでいない方の手で、パタパタと冷ますように頬を必死に扇ぐ。


 グイッと力強く引っ張って私を支えてくれるその手は、誰よりも頼もしかった。

 女の子のように綺麗な顔立ちをしているのに、引っ張ってくれる腕は筋肉質で男の子らしい。改めて美門くんは男の子なんだと再認識して、また頬の熱が上がる。


 好き、とか。

 そういう感情なんて抱くことはないと思ってたし、今もきっとない。

 ……けど、少しドキドキしたなんて、絶対誰にも言えないな。

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月瀬澪海 @ゆぅら(プロフ) - カタツムリさん» コメントありがとうございます。 そして教えてくださりありがとうございます!144話の58分は、28分の間違いでした。訂正しておきます。勉強、小説、期待に応えられるよう頑張りますね!7章は今月30日公開となっていますので、楽しみにしていてください! (2021年3月22日 20時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
カタツムリ - 応援してます (2021年3月22日 16時) (レス) id: 6d691f3685 (このIDを非表示/違反報告)
カタツムリ - いつ更新するのかと毎日確認してます。頑張ってくださいね。(小説、勉強含め) (2021年3月22日 16時) (レス) id: 6d691f3685 (このIDを非表示/違反報告)
カタツムリ - 話数間違えました。正しくは143と144です (2021年3月22日 7時) (レス) id: 6d691f3685 (このIDを非表示/違反報告)
カタツムリ - この作品面白いです (2021年3月22日 7時) (レス) id: 6d691f3685 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月瀬澪海 | 作成日時:2021年2月28日 22時

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