ヒロインなんて、なりたくない。４

82話 ページ2

真理子side


もともと立花に興味を示していた片山。

いつも静かなイメージしか持たれない立花は、実は明るい性格だった。

家庭環境がワケアリだった片山は色々な人をみてきたため、その性格をすぐに見つけて立花が本来の性格になって楽になれるように何かと構っていたのだ。

そこまでする理由は、多分その時期から立花のことが気になっていた·好きだったからなんだろう。

立花は次第に心を開いてゆき、よく笑うようになったのだ。



中２の秋、片山は立花に告白した。ずっと好きだった、と。これからもお前を笑顔にさせる、と。

立花も即OKの返事をした。片山に少しずつ惹かれていたことは、私も薄々気がついていたんだ。

私に報告をした立花は、満面の笑顔で幸せそうで。

2人は晴れて付き合うことになり、それは公にはならなかったものの、デートをしたり見ていて微笑ましい付き合いだった。



でも幸せな日は、２ヶ月程したある日に崩れ始めた。2人のデート現場を、お調子者男子のクラスメートに目撃されてしまったのだった。

噂はすぐさま広まり、人気者だった片山のファンの女子は当たり前だが立花を物凄く妬んだ。

後から知ったことだが、物が失くなったり汚されていたり、靴箱や机の中にゴミが入っていたり、暴力や陰口もあったらしい。

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