156話 ページ8
小塚side
「アーヤ行っちゃったね。」
黒木がため息混じりに言う。
アーヤは僕たちの癒しでもあるから、いなくなると何だか物足りない気持ちになる。男ばかりだからっていうのもあるけどね。
それは、誰もが感じているはずだ。
きっと、黒木だってその意図があったんだろう。それは、上杉も七鬼も、勿論僕もなんだ。
けど、美門はそれ以上の感情を抱いている。
「で、花火大会はどうだったんだ?」
上杉が美門に聞く。
そういえば僕ら、わざわざ苦しい嘘までついて2人きりにさせたんだよね。
美門の、楽しかったよと言ってからの、美貌を見せつけるような笑顔を期待していたんだ。
だけど僕らに向けられたのは、辛そうで悲しそうな微笑みだった。
「告白したんだ、何となく、勢いで。」
「……はっ…!?」
「こ、こくはく!?」
「美門センセ、何だってそんならしくないことを…。」
「いやいや、まじかよ……」
反応はそれぞれだった。
僕も、ものすごく驚いたよ。
だって美門はいつだって冷静だし、アーヤのことを1番に考えてるような人だからそんなことしないと思ってたんだから。
なのに、急に告白だなんて……
「……フラれたよ。」
そう結果を告げたときの美門の表情は、心なしか晴々しいものだった。
きっと辛そうだったのは、アーヤに余計なプレッシャーや責任を感じさせてしまったからなんだろうね。
アーヤの優しさも美門の苦しさも分かって、何だか僕まで泣きそうになった。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月瀬澪海 @ゆぅら(プロフ) - 三波さん» え嬉しい!!ありがとう! (2021年4月3日 13時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
三波(プロフ) - なんだこれくそ面白いじゃないか! (2021年4月3日 13時) (レス) id: 7ae3c29224 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬澪海 @ゆぅら(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!ぜひ推してあげてください!!笑 これからも頑張ります、応援よろしくお願いします! (2021年4月2日 11時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 初コメ失礼します。わかなほ……推せる!!公開、毎月楽しみにしてます!無理のない程度で頑張ってください!応援してます(о´∀`о) (2021年4月1日 23時) (レス) id: 5ab70e7410 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬澪海 @ゆぅら(プロフ) - 結羽さん» ありがとうございます!! あそこのCP何気好きなんですよね笑 次回楽しみにしててください〜 賛成してくれて嬉しいです!これからもついてきてくださいっ笑 (2021年3月31日 19時) (レス) id: 2bb7bd91dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月瀬澪海 | 作成日時:2021年3月30日 20時